この頃、なんか、耳が変。
耳鳴りすごいし、聞こえにくい。
多分、疲れてるだけやろ。
そう思ってごまかしてきたけど、だんだんごまかしがきかなくなってきた。
病院行かなあかんかも。
そう思ったレッスンの日。
その日、淳太君と二人で別室に呼ばれた。
そこにいたのは、僕らの先輩だった。
目の前に、ずっと僕らが憧れてきた先輩たちがいて、緊張しながらも嬉しかった。
でも、なんで僕らが呼ばれたんやろう?
先輩たちは、僕らの頑張りをほめてくれた。
事務所の人とは違い、「よお頑張ってる」って言ってくれた。
僕らの夢も聞いてくれた。
やから、淳太君と二人で、
ー「7人でデビューしたい」
そう言った。
でも、7人全員の名前をあげた後、先輩たちの表情が変わった。
そう言われた時、「え・・?」そんな声がでた。
隣から淳太君の「・・なんで」そんな小さい声が聞こえた。
はっきり言われたその言葉に、淳太くんが噛みついた。
苛立っている淳太君に対し、先輩たちは冷静だった。
それは、
今のうちにしげと望から離れろ
ってことなん?
二人は、僕らとは一緒にデビューできひんってこと?
二人と一緒にいたら、
僕らまでデビュー、
できひんくなる・・?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。