第20話

濱田side
1,261
2018/03/25 14:19
あれから3週間、照史はちゃんとレッスンに来てはいる。

遅く来て早く帰るし、絶対にそばには来ないけど。

まだ照史とは1度も口をきいていない。


ちゃんと話さなきゃ、と思うんやけど、一言がかけられない。




望は、退院してすぐにレッスンに来るようになった。

ほとんど見てるだけの日もあるけど、僕らの様子が気になるんやろう、絶対に休まなかった。


流星と神ちゃんは、僕らと目も合わせない。

かなり距離を置かれてる。

流星は、神ちゃんに合わせてそうしてるように見えるけど、神ちゃんはほんまに怒ってる感じやった。




しげは、

あれから一度もレッスンに来ていない。


体調が悪いんかなって、メール何度もしたけど、返事なんか来ないどころか、既読すらつかなかった。

電話かけても、電源切られとるし。






正直、僕らの関係性もこれで終わるんやろうなって、思った。



だって、僕らはこれといって何か共通点がある訳でも、

7人でユニット組んで活動してるわけでもないし、



ただ、



ただ、

7人でデビューしようね

って、


約束しただけ。



そう。


約束しただけ。




僕らの約束なんて、誰が知ってるわけでもない。

誰が、僕ら7人のことを期待してるわけでもない。




ただ、7人で小指を結んだだけ。







なのに、


どうしてこんなにも辛いんやろう。




7人一緒にいないだけで、


回る世界すべて意味がないような気がした。

プリ小説オーディオドラマ