第40話

重岡side
1,225
2018/03/30 12:55
点滴変え終わって慌てて病室の方に行ったら、僕の病室の前で立ってる人見つけて、僕は動けなくなった。




照史君。




照史君は、ドアを開けようかどうしようか迷ってて、深呼吸してはドアに手を伸ばし、また引っ込めるのエンドレス。



久しぶりに会う照史君に緊張して、どうすればいいのか分からなくなった。


「照史君」って声かけたらええんかな。

「来てくれたんや~」って笑えばええんかな。



分からへん。


分からなくて、結局思いついたのは







桐山
・・・え!?誰・・!?




迷う照史君の後ろから近付いて、照史君の目を手で覆った。





驚いた照史君は、僕の手に触れて動かなくなった。

それと同時に、目を覆った手が、じんわりと濡れて。






桐山
・・・しげ・・・やんな・・・?



小さく名前を呼ばれた。


僕の手だけで、照史君は僕だって分かったん・・?




手を離そうと思ったら、照史君に強く握られていて離せなかった。


やから、頭をぽんっと照史君の背中に当てた。


重岡
照史君、会いたかった。

・・・ずーっと、会いたかってんで。

言ってる途中で涙があふれて、唇を噛みしめた。

重岡
ごめんなさい・・・照史君
そう言った瞬間、僕を握る手が離されて、照史くんが振り向いて思いっきり頭を下げた。
桐山
ほんまにごめんなさい!!・・・しげの事傷つけた。絶対に言ったらあかん事言ってしもた。

許してほしいなんて思ってへん!自分のやってしまったことは、ちゃんと責任取る・・。

もうさ、みんなとも一緒におられへんし、辞表もちゃんと出したから!

ただ・・

・・ただ・・しげにずっと謝りたかったんや・・・!!

違う。


照史君、違う。



重岡
辞めんといてや!照史くんおらな、俺らはやって行けへん!
泣きながらそう叫んだ。


責任?


そんなの取らなくていい。



重岡
責任感じてるんやったら、

ずっと僕らから離れんといて!

辞めるなんて、簡単に言わんといて!

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