昼休み
遅いですよぉ〜あなたさんっ
……ごめん
ちゃんと読んでくれましたぁ〜?
…その喋り方やめてもいいよ…誰も呼んでないから
あ?知ってんだよ。んなこと
煽られてること分からないんですかぁ〜?可哀想に〜
そう…で、なんで呼んだの?
くし、持ってきたよな?
うん。
持て。
こう…?
ニヤッ
…うわぁぁぁぁあん!
!?
(またかよ…)
モブ『なんだ!?』
あなたさんがっ…!私のくしを奪って…!
はぁ……
モブ『え…?まじかよ…』
モブ『性格悪いって噂は聞いてたけど…』
(そんな噂流れてたのかよ)
しかもっ…!壊してきてっ…!
壊してない……
嘘までつくんですか…!?
(もうこのくだり飽きた………)
この花の飾り大好きだったのに…
見ると、大きな花の飾りがさよちゃんの手のひらにあった。
多分事前に取っておいたんだろう
(計画的だなぁ)
この件はすぐに広まり、放課後には全員が知っている状態までになった
………!
放課後
おいお前……
(早速来たー)
さよちゃんのくし壊したらしいな
………
なんとか言ったらどうなんだよ
ごめん
はっ、開き直りか?
…………
………っ……
なんだよリエーフ、お前からもなんか言ってやれよ
……………あ!そ、そうっすね……
………?
え……あの……
なんで言ってやんねえんだよ!
いたっ!
リエーフ
け、研磨さん
ちょっとこっち来て…
はいっ…
なんなんだよあいつ……
リエーフ……
おい
……なに
さよちゃんに手ぇ出してんじゃねえぞ
……………うん
ふふっ……ざまぁみろ
黒尾さんに近付くからそうなるんだよ
体育館倉庫
研磨さん、どうしたんですか?
リエーフ…気づいた?
えっ…………な、何がですか?
分かってるでしょ……あの人が悪者ってこと
…………っ!はい……
実は……………見たんです……昼休み…
昼休み
(やっぱ心配だ…!こっそり見守ってよう…)
あ?知ってんだよそんなこと
!?!?
さ、さよちゃ…
くし、持ってきたよな?
(く、くし?)
…うわぁぁぁぁあん!
(な、何!?)
モブ『なんだ!?』
うわっ
あなたさんがっ…!私のくしを奪って…!
えっ…!ちが、違う…
(違う、あれはさよちゃんがあなたさんにくしを持たせてた!)
嘘までつくんですか…!?
(違う、嘘をついてるのはさよちゃんの方だ…)
…ってことがあって……
……そうなんだ
あなたさんが猛虎さんに責められてる時、違うって言えなかった…
その判断で合ってたと思う…
え…?
あそこの近くにあの人いたし、言っても信じてもらえなかったと思うから…
〜〜〜〜!研磨さん!!!
……!大声あんま出さないで…
あっ…すみません……
ゴホン
俺、あなたさんを助けたいです!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。