□〇編
〇side
そして11月
俺の嫌いなマラソン大会がある
3学年合同で町内を走る
コヤシゲ編
運動が苦手だから正直走りたくない
しかも距離が長い……
俺はどうせ遅くてビリだろうから1番うしろにならんだ
そしたら慶ちゃんもうしろに並んで俺の隣に来た
〇「慶ちゃん足速いでしょ、前の方行きなよ」
□「ううん、俺はシゲと走るの」
よーい
ドンッ!
いっせいにスタートした
□side
うちの学校のマラソンはだいたい10kmぐらいで長い
〇「はぁーはぁー」
□「シゲ大丈夫?少し休む?」
〇「はぁーはぁーううん、大丈夫……」
シゲが2kmぐらいで過呼吸になってきた
俺は心配でシゲにちょくちょく大丈夫か聞いた
それにしても今日は11月というのに太陽が出ていて暑いぐらいだった
暑さで体力が減るのがはやい
休憩地点に来た
ここで水を飲んで少し休める
□「シゲ、水飲もう」
〇「俺走るの遅いしいいや」
□「ダメだよ、今日暑いからちゃんと飲まないと」
〇「でも、飲んでる時間がもったいないよ」
□「あーもう」
俺はコップ1杯を口に含みシゲに口移しで飲ませた
〇「ゴクンッ何すんの」
□「シゲがなかなか飲まないから、よし行くよ!」
〇「う、うん」
また走り出した
7km行ったところでシゲも限界のようでフラフラだった
□「シゲ危ないよ、少し休もう?」
〇「はぁーはぁーはぁー」
話せないくらい呼吸が乱れてた
まずいと思った瞬間シゲが倒れた
〇「はぁーはぁーはぁーはぁー」
□「シゲ!」
俺は急いで駆け寄った
□「しっかり!」
〇「はぁーはぁー、だい……じょ、ぶはぁーはぁー、さ、き……に……行って……」
□「そんなことできないよ、ほら乗って」
シゲを背中にのせた
さすがにお姫様抱っこで走るのは辛い
〇「はぁーはぁーはぁーはぁー」
□「シゲ、しっかりつかまっててね」
〇「はぁーはぁー」
そして2人でゴールした
俺はゴールで崩れ落ちてしまった
□「はぁーはぁー疲れたー」
▽「お疲れ様、これ!」
先にゴールしたまっすーが俺に、手越がシゲにタオルと水をくれた
♡「途中でギブすれば良かったのに」
〇「だって、慶ちゃんがいたから……」
♡「そいう事ね、シゲよく頑張ったね!」
♡▽編
▽side
よーい
ドンッ!
いっせいにスタートした
俺は順調に走っているとユウにぬかされた
♡「タカ、おさきに!」
▽「まて、俺が抜かしてやる!」
俺たちは楽しく走っていた
追いかけっこのようにどちらかぬかしたら、どちらかがまたぬくという感じでなかなか勝負がつかなかった
ゴール手前で2人とも全力で走った
結果は同時にゴールだったが……
♡「俺の方が数秒速かったから」
▽「違うよ俺だよ」
♡「俺本当は本気だしてなかったから」
▽「実は俺も、もう少し速く走れた」
などとゴールしてから言い合いをしていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。