第5話

no.4
229
2022/02/23 07:13


その日は、御崎くん(?)に話しかけられて不機嫌になったこと以外、さほど変わりなく終わった。



いつもの時間に電車に乗り、自宅に帰る。



いつものようにご飯を食べ、お風呂に入り、数十分ほどめんどくさい勉強をして、布団に入った。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
スマホ………どこだ…
照明を暗くしてしまったせいでよく見えない。


手探りで枕元、布団の横などを探していく。

コツっと指先に何かが触れる。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
みっけ

電源ボタンを押すと、画面から放たれた光が部屋を照らした。


その光が眩しくて、思わず目を細めた。


画面の明るさを最小に設定し、Googleのアイコンをタップする。
 
ホームに表示されているニュースなどの記事を適当に選び読んでいく。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
寝る前のスマホはよくない…か。

スマホを見ていようが見てなかろうが、自分の眠りが浅いことに変わりはないのでは?と思った。

それに、スマホの残りの充電を使い切りたい。

知るか、とばかりにその記事を閉じた。

脳内に入ってきたその情報を片隅へと追いやって、さらに他の記事を見ていく。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
あ……

ふと目にとまった記事。


海の青々としたきれいな景色の写真が載っている。


なぜだか今朝から海だったり、電車だったりと妙に引っかかる。



その記事は見ずにスクロールする手を進めた。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
夢のせいか…。はぁ。
たかが夢なんかに惑わされるなんて随分とバカになったな、なんて自分に呆れた。

なんだかモヤモヤとした感情が湧き上がってきた。


その感情を吐き出そうと、ゆっくりと深呼吸。
相川星奈(あいかわ せな)
相川星奈(あいかわ せな)
……。



御崎くん(?)のことを考えたり、夕飯のことを考えたりしながら、ネットの記事を見漁っていく。



やがて、面白そうな記事もなくなり、ほどよく眠くなってきた。


ぼーっとしながら、布団を頭からかぶった。


ほんのりとした温かさがじわじわと広がっていく感じがした。



ふかふかとした布団たちに身を任せれば、体中の力が抜けていく。



気づけば、眠りについていた。

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