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第20話

お祭り
2,371
2018/10/19 08:11
あなた

いやー、夏の最後はこれよねー

エイジ
浴衣可愛いね…
あなた

え?浴衣?

照れてそっぽ向いた彼に詰め寄って言った。
エイジ
いや、あなたが…
あなた

ありがとう

もう、大満足な答えが返ってきてくれて嬉しくてスキップをしながら彼の手を引いて屋台を回った。
エイジ
あ、射的ーーー
はしゃぐえいちゃんの姿は格別に可愛かった。
あなた

頑張れーー

エイジ
あれ取るわ
そう言い狙いを定めて打った。

当然一発じゃ倒れず少し拗ねた様子だった。
あなた

まだ一発目だよ?

エイジ
んー、でも…
あなた

じゃあ、次私やるから貸して

エイジ
え?無理だよ
パーンと音がなった瞬間にパタリと景品が倒れた。
エイジ
あなた

よっしゃー

エイジ
凄いね…
あなた

なに、凹んでんの?喜んでよ

エイジ
いや、あなたこーゆーの上手なんだなと思って
あなた

そりゃ、どーも

スタスタと歩きながらラストの花火を見に行った。

でも、えいちゃんの横顔はあまり楽しそうには見えなかった。
あなた

つまんない?

エイジ
うん、
あなた

どっか、違うところ行く?

エイジ
うん、ゲームセンター行きたい
あなた

ふふ、え!?

エイジ
だめ?
あなた

いや、いいけどさw

エイジ
やったー
あなた

ちょっと、

行くと決まると私の手を取り走り出した。

近くのゲームセンターに着くと、その瞬間に両手を広げ満面の笑みで私に言った。
エイジ
太鼓の達人やろ?
あなた

っふ、太鼓の達人ね、いいよ

エイジ
いえーーーい
生き生きとしながら太鼓を叩いているえいちゃんを見ていると自分も楽しくなった。
エイジ
あなたはしないの?
あなた

んーえいちゃんの太鼓の達人してる姿見てたいからいいかな

エイジ
やー、本当に、もう、…
少し顔を赤らめて叩き始めた。
私は少し遠くへ行き、叩いてる後姿を見ていた。
チラリとこちらをみてニコリと微笑む彼。
エイジ
どう?惚れ直した??
あなた

うん、最高w

彼は小走りでこちらへ向かって来た。
エイジ
あなた、記念に2人で撮んない?
あなた

いいよ

プリクラを指差した。
本当は嬉しかったけれど、上手く感情を表現できなかった。
笑顔でカメラの前に立つと、次々にポーズを決めた。
エイジ
プリクラ久しぶりだなあ
あなた

でも、いいよね!2人で浴衣着てて

エイジ
うん、あ、それより俺の浴衣姿見て何も思わなかったの?
あなた

いや、本当にカッコいいなあって思ってた、けど、なんか、その…恥ずかしいじゃん?

エイジ
言ってよお!!恥ずかしいとか…口に出さないでよぉ……///
落書きタイムに入ると楽しそうに彼はペンを動かしていた。
写真がプリントされて出てきた時、私がしゃがんで写真を取り、立ち上がって振り向いた瞬間にちゅっと音を立ててキスをされたのは内緒。
その後もフラフラとゲームセンターを満喫した。

そして、最後にと言ってUFOキャッチャーをしだした。
エイジ
あ、きたんじゃない???これ
あなた

おおおおおお!すごいいい!

取れた瞬間にお互い、手を叩き2人で喜んだ。
エイジ
これ、今年の夏の思い出にね
あなた

うん

エイジ
アバハウスに飾ろう!
あなた

そうだね!!

エイジ
来年もお祭り行こうね!
あなた

いや、えいちゃんはお祭りよりゲームセンターでしょw

エイジ
もう、いいの!お祭りに行きたいの!!
あなた

はいはいww

エイジ
楽しかったね、大好きだよ、
あなた

ありがとう

手を繋ぎ仲良く私達は家へと帰った。
これからもよろしく。
お互いにそう伝え合うかのように見つめ合い、唇に唇が落とされた。

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