照れてそっぽ向いた彼に詰め寄って言った。
もう、大満足な答えが返ってきてくれて嬉しくてスキップをしながら彼の手を引いて屋台を回った。
はしゃぐえいちゃんの姿は格別に可愛かった。
そう言い狙いを定めて打った。
当然一発じゃ倒れず少し拗ねた様子だった。
パーンと音がなった瞬間にパタリと景品が倒れた。
スタスタと歩きながらラストの花火を見に行った。
でも、えいちゃんの横顔はあまり楽しそうには見えなかった。
行くと決まると私の手を取り走り出した。
近くのゲームセンターに着くと、その瞬間に両手を広げ満面の笑みで私に言った。
生き生きとしながら太鼓を叩いているえいちゃんを見ていると自分も楽しくなった。
少し顔を赤らめて叩き始めた。
私は少し遠くへ行き、叩いてる後姿を見ていた。
チラリとこちらをみてニコリと微笑む彼。
彼は小走りでこちらへ向かって来た。
プリクラを指差した。
本当は嬉しかったけれど、上手く感情を表現できなかった。
笑顔でカメラの前に立つと、次々にポーズを決めた。
落書きタイムに入ると楽しそうに彼はペンを動かしていた。
写真がプリントされて出てきた時、私がしゃがんで写真を取り、立ち上がって振り向いた瞬間にちゅっと音を立ててキスをされたのは内緒。
その後もフラフラとゲームセンターを満喫した。
そして、最後にと言ってUFOキャッチャーをしだした。
取れた瞬間にお互い、手を叩き2人で喜んだ。
手を繋ぎ仲良く私達は家へと帰った。
これからもよろしく。
お互いにそう伝え合うかのように見つめ合い、唇に唇が落とされた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!