第147話
🍀
今から最難関門に報告する訳だが、
兄の住居へ赴くまで繋いでいたホソクの手は
多分緊張による汗だろうか、湿っている。
口をはくはく開閉させるホソク。
オラボニに言う台詞の練習をしているのだろう。
……こんなに必死だと、少し意地悪したくなる。
すると彼は、深すぎるため息をついて。
諦めがついているかのような顔をするくせに
手は更に強く握り締めてくるから
いつでもどこでも素直じゃない男だ。
悔しそうに頬を赤らめながら
彼はいじけて顔を背けた。
慌ただしくて落ち着かない暗行御史は
私の右頬をつねってきた。
結構、力加減に容赦ないのがホソクだ。
要するに痛い。
あの暗行御史様がここまで緊張してしまうほど
報告とは堅苦しいものなのだろうか。
それかこの男が変に不器用なだけなのかもしれない。
どちらにせよ私の旦那は愛らしいのだと思う。
先程の思いを撤回すると共に、
彼の頬に平手打ちをかました。