第6話

第一章 放て! おれのサーチライト-5
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2019/10/11 01:25
 …………………………は?
聖瑞姫
聖瑞姫
ピンク……?
 意味が解らず復唱した私に、そうだ! と力強く頷く野田君。
野田大和
野田大和
予感がしてたんだ。この高校で、運命の五人の戦士が集うことになると……! 時期外れの転校生! ミステリアスな眼帯! そして聖瑞姫というセンスある名前! 一目見た瞬間にビビッときた。おまえがヒロインだ!
 キラキラと瞳を輝かせた野田君にビシイッと指で指されたけど……意味が解らない。
 運命の戦士? ヒロイン? は? なに?
 ぽかーんとしていたら、新たな声がその場に響いた。
高嶋智樹
高嶋智樹
落ち着け、大和。転校生がびっくりしてるぞ
 くくっと肩を揺らして笑いをかみ殺しながら現れたのは、金髪の派手めのイケメン……高嶋君。
野田大和
野田大和
おまえも来たのか、イエロー
高嶋智樹
高嶋智樹
イエロー!? 俺イエローなの!?
 いたって真面目な顔で呼びかけた野田君に、高嶋君がぎょっとしたように目を瞠る。
野田大和
野田大和
ああ、ピンクに会った時に気付いた。智樹はイエローだ
高嶋智樹
高嶋智樹
いや、せめてブルーだろ! イエローってお笑い担当のデブのイメージじゃん。こんな天下のイケメンつかまえてイエローはないって!
 野田君に全力で抗議していた高嶋君は、そこまで言って、未だに目を白黒させている私の存在を思い出したようだ。コホン、と芝居がかった咳をしてから、こちらに向き直った。
高嶋智樹
高嶋智樹
あー、解説すると、大和はヒーロー番組とか特撮ものが好きすぎて、自分が戦隊もののレッドだと思い込んでるわけ。で、聖のことをピンクだと思ってるみたいだな
 …………はああああ?

 なんじゃそりゃ、と呆気にとられる私の前で、野田君は「思い込みじゃねーよ」と不本意そうに高嶋君を睨んでから、こちらに向き直る。
野田大和
野田大和
ピンクの得意技はなんだ? やっぱその右目に特別な力が宿っているんだろ? 『聖』という苗字から想像するに回復系か、はたまた……
聖瑞姫
聖瑞姫
と、得意技なんかないし! というかピンクじゃないから
 思いっきりドン引きしながらきっぱり言うと、「なに……!?」と野田君がショックを受けたように顔をこわばらせた。
野田大和
野田大和
まだ目覚めていないってことか……
聖瑞姫
聖瑞姫
まだもなにも一生目覚めることはありません!
野田大和
野田大和
恐がらなくてもいいぜ。身に余る強大な力を手にすることになったとしても、ピンク、おまえには仲間がいるんだ
 グッと親指を立てて励まされた。
 話が通じない……。

 えーと、つまり野田君が朝からずっと私を見つめてたのは、仲間が来たと思ってたからなの? 顔が赤かったのは、興奮のため?
 …………アホだ。どうしようもなくアホだよ、この子。

 野田大和の正体は──こじらせちゃってパンパカパッパッパーンな厨二病男子だった。

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