第5話

第一章 放て! おれのサーチライト-4
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2019/10/11 01:25
   ☆★☆

 そして、昼休み。
 お弁当を一緒に食べようって、菜々子ちゃんを誘ってみよう……!
 席を立って、菜々子ちゃんの方へ駆け寄ろうとしたところ──気が急いていたからだろうか、途中の椅子に躓いてバランスを崩してしまった。

 倒れる……っ!
 ひやっとした次の瞬間、ぐっと二の腕を摑まれ、誰かに支えられた。
野田大和
野田大和
大丈夫か?
 少しだけかすれた、まだ声変わり前の男子の声が耳元で聞こえて、一瞬鼓動が不規則に飛び跳ねる。
 野田君!?
聖瑞姫
聖瑞姫
う、うん、ありがとう
 お礼を告げると、野田君は口元をほころばせたけど、すぐに真面目な顔になった。
野田大和
野田大和
大事な話がある
 それだけ言うと、私の腕を摑んだまま、歩き出す。
 え? え? ええ?
聖瑞姫
聖瑞姫
の、野田君?
 突然なに? てかクラスのみんながめっちゃ見てるんだけど……!
 私は混乱したまま、無言の野田君に引きずられるように教室を後にした。

   ☆★☆

 連れてこられた先は、人気のない屋上だった。
 野田君は私の腕から手を離すと、真剣そのものの表情で私に向き合った。
 心臓がいつになくドキドキと高鳴っている。
 さっぱりわけがわからないけど、もしかしてこの状況って……告白?

 ──「もしかして、一目惚れされちゃったとか?」

 菜々子ちゃんの声が蘇り、いやいやまさかと心の中で否定する。
 ……でも、好みは人それぞれっていうし……。
 息をのんで立ちすくむ私を、熱を帯びた眼差しでまっすぐに見つめながら、野田君はとうとう口を開いた。
野田大和
野田大和
──待ってたぜ、ピンク

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