いやいやいや、予定と違うんですけど
付き合ってるフリだけちゃうの!?
結婚?まじで言ってる?それともまた嘘?
もし嘘やった場合、この嘘はいつまで続くものなん?
おまけにさっきから空気を読めという彼からの若干の圧を感じる
謙¦は、はい、、
圧に負けないようにと思って咄嗟に出した答えがまさかの肯定形だった事に気が付いて彼の顔を見る
彼は安心しきった表情で俺を見ていた
駿¦良かった、笑
なんなんだこの人。
吐息混じりに安堵の言葉を囁く彼に不満が募る
自分だけ余裕が無くて、彼だけ余裕の顔をしているのが悔しくて。
帰る口実を探していると低い声が部屋中に響いた
父¦ちょっと待て駿佑。失礼な事を言うが、どこの誰かも分からない人との結婚を認められる訳がないだろ?考え直しなさい。
駿¦今の時代は性別や家柄に囚われずに結婚が出来る時代ですよ?
父¦それは御曹司のお前には関係のない話だ。
家と私情、お前はどちらを優先する?
駿¦っ、、
僕が思う以上にこの世界は拗れているらしい
もし僕がここに連れてこられた理由が政略結婚から逃れる為だとするなら、愛が無い時点で政略結婚とほぼ変わらない話だ。
それでも彼がここまで必死になるのは何故なのだろう
彼の目は先程とは全く違って、殺気に溢れた目をしていた。
少なからず周りの人間は恐怖のはずだ。
彼が言い返そうとした瞬間、誰かが言葉を横切って話し始めた
恭¦僕は同性結婚も良いと思いますよ。まあ意見は人それぞれですが、家の為に結婚する事が必ずしも家の為になるかなんて分からへんじゃないですか。
恭¦僕が実際に政略結婚を経験したというのもあるかもしれませんが、お互い結婚を意識している恋人同士なら結婚には賛成です。
だってそういう人生で1度きりの選択って周りの人間が決めるものではない気がしますしね。
駿¦恭平くん、、
恭¦これによって同性結婚が認められる世の中になるかもしれませんよ?そしたらお義父さんが気にしてはる家の名も廃れることは無くなるのでは?
父¦・・・分かった。では2人で住め。
駿¦へ?
父¦ただし認めた訳では無い。2人きりで別荘に行って毎日過ごす。その生活次第で結婚を考えよう。
駿¦・・・それは、いつまでですか?
父¦気になるのか?戻って来いと言うまでずっとだ。
駿¦・・・分かりました。ありがとうございます。
ちょっと待って、別荘?
僕ここに入ってまだ1日も経ってないんやけど?
流星くん達に何て言って誤魔化せばいいのよ、、
ていうか別荘に2人きりってことは誰がその生活を見るん?
結婚が認められへんかったら僕、、
一生この人と2人きりって事!?
駿佑side
物心ついた時からいわゆる英才教育を受けさせられた。
勿論感謝はしているし、お陰で勉強面で苦労した事は何も無い。
けれどそれは俺の為では無く家の為。
小さい頃から知らない人が家に来ては娘の写真を置いて行くのが日常だった。
無理矢理デートに行かされたこともあって、その度に長々と作られた感謝の言葉と偽の笑顔を見せて誤魔化してきた
18になった途端にそれがエスカレートして、毎日のように父から縁談を持ちかけられている
正直、親と家の道具でしかない政略結婚なんて俺にはごめんだ
嘘をつかない純粋だった頃なんて、俺の記憶が出来る前でとっくに終わっている
いや、純粋だった時期なんて無いのかもしれない
平気で人を利益の為に利用する家に生まれたのだから。
そのせいで嘘をつくというこの世を代表する程醜い特技を手に入れてしまった
だからだろうか
汚れた事を何一つ知らないような、透き通った瞳をする彼に心を奪われてしまうのは。
恋人のフリをするという嘘の演技を彼にさせたら
彼も俺と同じような人間になってしまう
純粋な彼がどんどん醜くなっていく事にとても嫌だと思った。
だから彼がこれ以上汚れないように、嘘を現実にしようとした。
でもその為にはまた嘘が必要で。
気が付けば事実婚に近い状態になっていた
いやでも今日知り合ったばっかりやし事実婚ではないか。
即日婚?分からんけど多分そんな感じ。
この時結婚をするなんて咄嗟に嘘をついたのは、
「人間の邪心から謙杜を守るため」
自分でもそう信じて疑わなかった。
けれど違ったんだ
本当の理由は多分、心のどこかにある手離したくないという気持ちが動いたからだろう
俺はもう、この時には既に彼に惹かれていたという事だ。
その証拠にまた胸が締め付けられるような感覚がした。
視線の先にある困惑と不安の表情に愛しさを覚えたのは、
紛れもなく恋だったのだろう
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
皆様あけましておめでとうございます⸜🌷⸝
ご挨拶が遅くなってしまいすみません🙏
そしてそして!今日は大ちゃんのお誕生日&道長ちゃんの成人式ですね!
新成人の皆様おめでとうございます🙇🏻♀️💕
それから、お陰様でなんと投稿5日でお気に入りといいねが共に120を突破致しました🙌🏻💕
いぇーいどんどんぱちぱち!👏🏻👏🏻
フォロワー様も増えまして、、本当に感謝の気持ちでいっぱいです🥺💗💛
マイペース投稿ですがこれからもよろしくお願いします🕊𓈒𓏸
さて、この作品は元々ファンタジー作品として書き始めたものの、当初の予想以上にファンタジーになってきていて不安になっている作者です笑
設定や制度など、あくまでも一つの世界として楽しんで頂けたら幸いです🙇🏻♀️
まだまだ寒い日が続いていますので皆様くれぐれもお身体に気を付けてお過ごしください🍀*゜
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました!
これを読んでくださった貴方の1年が良い年になりますように🐰💕
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。