謙杜side
結局僕が襲われた日は二人で夕食を作った。
ちなみに、駿佑様は一人でお米を炊く事すら出来なかった。
僕にはあんな事言うくせに、結局申し訳無さそうに指示された事だけを淡々と行っていた
なんかでっかい犬みたいやなぁ、と思っていたのはここだけの話という事で。
その数分後、久しぶりに大吾くんから連絡が来た。
『けんとー、さびしい』
『大ちゃんは謙杜に会いたいよぉ、』
『お医者さんから許可が出て今普通病棟やからお見舞い待ってるな?』
他にも沢山送られてきた。
あまりにも沢山ありすぎて説明がめんどくさいので纏めると、とにかく僕に会いたいらしい。
丁度今日の一件があってから、暫く一人での外出禁止令が駿佑様から出されていたのだが
どうせ明日も彼はお仕事。
もう子供じゃないから少しだけなら大丈夫だと思って何も言わず病院に行く事を決めた。
そして翌日、昨日勝手に送られてきていた病院の地図を見ながら病院に向かい、
教えられた病室の前に来た。
謙¦失礼しまーす、、
大¦けんとー!!会いたかったぁ、♡
いきなり抱きついてくる大吾くん。
正直病状が悪化しているからという理由で入院したにも関わらず、今の所ずっと普段通りなのが謎だ。
謙¦僕も大吾くんに会いたかったで?
大¦ほんま!?嬉しいわぁ、
そう言ってにこっと笑う
天使みたいなこの笑顔に、多分今までかなりの人数の心が奪われたんだろうな、
謙¦だいごくん、?
大¦んー?
謙¦なんかさぁ、、ねむい、
大¦寝てへんのー?
謙¦なんか最近寝れへんねん、
大¦どしたん!?悩み事か?大ちゃんに話してみ!?
急に目をぱちくりさせて僕を見る。
謙¦悩みって言うか、、頭の中にずっと一人だけいるねん。僕が寝ようとしてもその人の事が気になって寝れへんし、会ってないのに考えたりしちゃってさ、、
大¦それって恋やない?
謙¦こい、?魚の?もしかして大吾くんの事?
大¦誰が鯉や
謙¦ごめんてぇ
大¦はぁ、、俺が言ってるのは誰かを好きになる方の恋や。
謙¦好き?え!僕がその人の事を?
大¦まあそういう事になるわな
謙¦・・・好き、じゃない、もんっ、///
大¦好きじゃないなら何やろなー?笑
謙¦それは、、
大¦謙杜、大ちゃんの事好き?
謙¦うん!
大¦結婚したいって思う?
謙¦結婚?んー、どやろ、、結婚っていうか、お兄ちゃんみたいな感じかな?
大¦じゃあ今頭の中にいる人と結婚したいって思う?
謙¦分からんけど、、もっと知りたいって思う
大¦その人とキスしたい?
謙¦キスって唇にする方のやつ?
大¦うん笑
謙¦その人となら、別に嫌やなかったかな、///
大¦なんで過去形、、もしかして、、キスしたん!?
謙¦・・・ コクッ ///
大¦は!?なんで?え?けんと!!うわぁあん泣
謙¦大吾くん!?
大¦けんと、、おれ、つらい、、グスッ
謙¦どしたん、?
大¦俺の可愛い可愛い謙杜がぁ、、もう俺だけが独占出来ひんやん、、まあいい事なんやけどさ
謙¦そんな事ないで?僕は一生大吾くんの甥やし、息子やねんから
大¦でも好きなんやろ?その人のこと。
謙¦⋯そもそも好きって何?
大¦なんやろなぁ、、この人とずっと一緒にいたいとか、辛くなった時に助けてほしいと思う人じゃない?
謙¦⋯そっかぁ、
流星くんも、恭平くんも
同じような事を言っていた。
それを好きと呼ぶなら、僕は、、
大¦う、うぅ、泣
謙¦あー大吾くん泣かんといてやー!
大¦じゃあ、、ぎゅーってして、?
謙¦はいはい、笑
大¦ん、えへへ、ありがとぉ〜♡
こんな事をしている間もずっと頭の中にいるのは
僕の心をずっと支配し続けているのは
道枝駿佑という、ちょっぴり意地悪な人間だけ。
やっぱり僕は、、恋してる
?¦おい、何してんの?
・・・の、かも、?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。