夜-
小さな声で鼻歌を歌う
今日の反省を日記に書きながら。
耳にはイヤホン、手にはペン
また歌も歌っているわけだから
扉をノックした音に気付くのに
少し時間がかかってしまった。
―コンコン
―ガチャ
気付かなかった。
未だに手にはペン、机にはノート
そして担任に聞かれてしまった
鼻歌…初日からなぜこうなる。
警戒しながら五条悟の様子を伺うと
「鼻歌か…」と言わんばかりの顔で
こちらを見てきた。
あまりにも話が脱線しているので
本題に戻してもらう為にと一言話す。
そっと頷き机上に広げた
ノートを片付け、椅子をしまう。
珍しく敬語で話したからか
とても驚いた顔をされる。
最低かこの人…
「恵」誰だか知らないがきっと
1年生か2年生の誰かだろう。
共同スペース-
(無い…多分)
少しと奥の場所で待っているのに
五条悟の声がここまで聞こえてくる
それだけうるさいって事か。
入ってすぐにお辞儀をした為
あまり見れなかったが多分
先輩は合計3人。
1人パンダが居た気がする。
じゃあ2人と1匹?
顔を上げて初めて気付いた事
それは個性が強い人ばかりと言う事。
パンダ…呪骸と同じ感じか?
着ぐるみ系では無いと思うし
ツナ…あぁ、ご飯食べたくなって来た
それにしても今のどういう意味
何だろう。耳に指さしてたから…
もしかしてイヤホンの事か?
あぁ、変な勘違いを。
五条悟に視線を送っても
無視される。自分で説明しろと
でも言っているのか。
3年前…中学1年生の頃だ
*
📓日記
・入学初日
五条悟が既に7割
嫌いになってきた。
駅で道に迷ったので、次回からは
改善できるようマップの見かたを
勉強しようと思う。
目指せ、方向音痴脱退‥とか
(日記は基本次への目標等)
*
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。