第5話

す り ー 。
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2021/10/02 11:22
麻 溝 あなた 。
うし、材料は揃ってるね!
人参、玉ねぎ、じゃがいも、お肉。
そして、常温保存のカレールーが棚に入っているのを確認し、まな板を取り出した。
麻 溝 あなた 。
お肉とか切るから、ちょっと離れててね

私は3人にそう声をかけ、お肉や人参を切る。
増 田 貴 久 。
にんじんしゃ......や.....

貴久くんが『人参は嫌』と小声で主張する。
麻 溝 あなた 。
ん〜、この人参さんは甘いから大丈夫だよ。減らしとくね
増 田 貴 久 。
ん、ありあと、おねーさん!
加 藤 シ ゲ ア キ 。
まっすー、食べないと大きくなれないよ
増 田 貴 久 。
んぅ、いいもんっ!

貴久くんは人参が嫌いなのか。
シゲアキくんに食べるように説得されて居るが、貴久くんには『大きくなる』は大して重要ではない目標なようだ。

でも、男の子は少からず『大きくなりたい』という夢があるのではないだろうか?
そう疑問に思った私は貴久くんに聞いた。
麻 溝 あなた 。
大きくならなくていいの?

と。すると貴久くんは笑顔で
増 田 貴 久 。
いい!

と答えた。
小 山 慶 一 郎 。
そうなの?まっすー。どうして?

私同様に不思議に思った、慶一郎くんが理由を貴久くんに聞いた。

すると貴久くんはまたまた笑顔で
増 田 貴 久 。
だって、おおきくなったら、けーちゃんとしげにだっこしてもらえないもんっ!

と、答えた。

これには慶一郎くんもシゲアキくんもクリティカルヒットを与えられたようで。
小 山 慶 一 郎 。
まっすー可愛い!
加 藤 シ ゲ ア キ 。
かわいいかよ!

と、貴久くんを2人してぎゅっとしていた。
今初めて、慶一郎くんとシゲアキくんの心からの笑顔を見た気がする。
シゲアキくんって意外とガサツなんだなとも思った。だって、貴久くんの頭の撫で方が乱暴だったからw


そんな可愛い3人を見ていたら、カレーなんてあっという間に出来ていた。

慶一郎くんも、貴久くんも、シゲアキくんもどのくらい食べるだろうか。
貴久くんは人参を減らして。慶一郎くんとシゲアキくんに嫌いなものはあるのだろうか。
そんな事を考えながらよそうご飯はいつもより美味しそうに見えた。
麻 溝 あなた 。
皆どれくらい食べる?
小 山 慶 一 郎 。
僕とシゲは普通くらいで、まっすーは少なめでお願いします。
加 藤 シ ゲ ア キ 。
まっすー、すぐお腹いっぱいになっちゃうんだ
麻 溝 あなた 。
そうなんだね。ありがとね、教えてくれてね
加 藤 シ ゲ ア キ 。
お姉さんはもう、信用していいっておもえたから
麻 溝 あなた 。
うんっ

あんなに警戒心の塊だったシゲアキくんが『信用していい』なんて単語を口にするなんて思ってもみなかった。だから、ただ単に嬉しかった。
麻 溝 あなた 。
よし!食べよう!

盛り付け終わった4人分のカレーライスを机に乗せて。



久しぶりに誰かと一緒に食べるご飯。




美味しそうな匂いが鼻を抜ける。





4人同時に口を開いて。








『いただきます!!!!』






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