シオンside
現在時刻は深夜2:50
良い子の皆さんはきちんと寝てくださいね
決して私みたく、夜の港などに行かないように
先程買った紅茶を喉に流し
ため息をつく
────自由
そんなもの、私には無かった。
生まれてすぐ、女だから跡継ぎに出来ないという
理由から、使用人に降格された
使用人は辛かった
王宮の方に大事が無い限り話しかけない
それが一番辛かった
実の兄にも、片割れにも話しかけられない。
そんな生活で7年
8年目に、ナギ様専属になり
話しかける事を許可された
ナギ様と私が双子だと知った時。
それは、前国王が晩餐会で話していた時だった
その日からだったっけ
ナギ様が私に話しかけて来たのは
何も分かってない
怒られるのはいつも私
ナギ様が話しかけてきたのに
何も分かってないのに、わかった振りをする
いつからだろう
彼を恨み始めたのは
国王が私に言った
ナギ様を連れて帰ってくれば
私を一般人にしてくれると
私は寮に向かって走り出した
幸い、深夜だということもあり
人はおらず、寮にも明かりは点っていなかった
私はナギ様の部屋に侵入する
お願いです。私の自由の為なのです
私はナギ様が起きないように
姫抱きをして部屋を出ようとする
するとそこに
三月様?!起きていたとは...
もういいじゃないか
・
ドアから他のメンバーが除く
私はナギ様をベッドに降ろして
三月様に向き直る
私はナギ様の部屋の窓から中庭へ飛び降りた
後ろからの
という声には、気づかない振りをした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。