第3話

摩田 豪③
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2018/01/29 10:02
茶色の小瓶を手に握り俺は歩いていた。俺の手のなかにはモウドクフキヤガエルの毒が入っている。これを塗り体内に取り入れてもらい死んでもらおうと思っている。
女はまだ仕事中だから家には誰もいないはず。俺は足を早めた。









女の家のなかに入るとまず冷蔵庫を開けた。入っている二本のペットボトルの口に毒をたっぷり塗り、一本を机の上にだしておいた。あと、一時間たたないうちに女は帰ってくる。なんとも悲しい話じゃないか。俺はそう思ったが他人物語の最後を飾れる俺は最高にかっこいいとも思った。






女が帰ってくるまでじっと視角になる場所で待っていた。女が帰ってきた、
と思ったらペットボトルに口をつけていた。早いなぁーと一言こぼした。女は一瞬驚いた顔で、いや、恐怖でひきつった顔でこちらを見たあと大量の液体を吐いて倒れた。俺は液体を少量取り黒小瓶にいれた。女の携帯に入っている人間全員に遺書ともなんともいえない文を送ったあと軽く手首と首にあとをつけ自殺工作ではない自殺工作をしておいた。





















完璧に証拠を残さず家を出たあと、ある家の犬小屋の前に近づいた。犬は軽く俺に吠えたがこの犬が日常的に吠えているのは知っていたので別に気にも止めず犬の受け皿に茶色の小瓶をいれてやった。クゥンと一声鳴いたあと、倒れた犬の腹部を切り刻み犬の毛をちょうだいした。

俺が去ったあとは犬の毛がフワフワと浮き、赤い液体が広がっていてロマンチックな光景だった。

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