おいしいところしか持っていかないよ、俺は。
仮面がとれても肌が剥がれ落ちていっても見つめてるよ。
僕の顔を覚えた人を生かしてはおけないんだ。
銃は本間夕人の眉間の場所を正確に撃ちぬいていた。
動画にはしっかり最後に『らいや』というワードは入っているだろう。
俺の職業のちょっとした宣伝であった。どこぞの広告よりも印象的であろう。テレビをつけると俺の演出どおりの映像が流れていた
「気分はドウデスカ?」
奇妙な依頼人の女は俺に聞く。
「最高だよ」
思わず語尾のところにハートマークがつくところだった
「ワタシも楽しかったよ♡」
またよろしくねぇーと言いながら消えていった
アイツあんなキャラだったっけ?笑
1人赤いグラスをかかげた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!