第2話

朝日
34
2018/08/13 02:08
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鳥の囀(さえず)り声と共に迎えた朝。
今日もまた旅が始まる―
イタタタタ...。
やっぱ野宿は慣れないなぁ...。
女は気だるい身体を起こし、伸びた。
何度も野宿はしてるが、こればかしは慣れない。
今までふかふかのベットを愛用としていた彼女は、床みたいな硬い所で寝るなんて想像してなかった。
(だからと言って宿に泊まるわけには行かないし...)
女の手元には数枚の硬貨しかなかった。
元々買い物依存症の彼女にとってお金は、ばらまくという行為だった。
旅に出て街に寄れば買い、街に寄れば買う――そんな事ばかり繰り返してきた。
すると女は食べるものが買えないと気づき、あれ以降使わないように気をつけた。
(...結局は自分の満足が満たされてないだけなんだよね)
己の欲とは醜いものだ。
女は鼻で笑い、水を口に含み旅へと歩んだ―

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