第8話

気まぐれな天気
20
2018/08/14 15:48
ポツポツ――
蒼凰
まずいな...。
降ってきやがった...。
雨が2人を濡らし始める。
蒼凰
輝天萌!急―!?
"急ごう"と言いかけた瞬間、空に眩い光が蒼凰達を脅かした。
輝天萌
雷...!?
蒼凰
雷はまずいな...。
どこか木以外で雨避けは...。
輝天萌
蒼凰!
あそこ!
輝天萌が指した先は洞窟だった。
蒼凰
洞窟か...。
少し危険だと思うが、雷雨になりそうな感じがするし、ひとまずそこに避難しよう!
2人は洞窟へと走った。
輝天萌
はぁはぁはぁはぁ...
蒼凰
はぁはぁ...。
輝天萌、大丈夫?
輝天萌
う、うん。なんとか...
先ほどまで晴れていたのが嘘のようだ。
天気は次第に大荒れとなった。
蒼凰
―この様子だと止まないな...
輝天萌
...そうだね。
蒼凰
ひとまず火をおこそう。
幸い上着だけが濡れただけだし、そのまま羽織っていると風邪引くから上着だけ乾かそう。
蒼凰は素早く火をおこした。
暗かった洞窟に明かりが灯る。
輝天萌
...暖かい。
蒼凰
火があるとないとで大違いだな...。
輝天萌
――ィクシッ
蒼凰
...輝天萌、こっちに来い。
輝天萌
え?
蒼凰は輝天萌の腕を引き、自分の膝の間へと座らせ、輝天萌を包み込んだ。
輝天萌
え、えぇ!?
蒼凰
...こうしている方が早く暖まれる。
輝天萌
そ、そう、だね...
これじゃ蒼凰に心臓の音が聞こえてしまうではないかと輝天萌は焦っていたが、蒼凰はそうでもなさそうだ。
輝天萌
(――私、絶対顔赤い...。蒼凰、こういうの慣れてるんだな...。)
なんか悔しくてそっと横目で蒼凰の様子を伺うと、ほんのり赤く染まっていた。
輝天萌
(あっ...)
"照れている"
なんだか嬉しかった―

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