第4話

闇夜の迷い人
26
2018/08/13 05:39
(ここなら水も確保できるし、涼しいかも。)
暗闇の中、女が辿り着いた先は湖。
水も確保し、火をおこした。
――疲れたなぁ
そう呟いた瞬間―
ガサガサっ
――っ!!
な、なに!?
女は身を構え、辺りを警戒した。
...女?
草むらから現れたのは男だった。
大丈夫。何もしないから。
は、はぁ...
"大丈夫"――その一言がなぜか胸を熱くさせた。
...隣、座っても?
あ、はい!どうぞ。
ありがとう。
...
...
2人の間に沈黙が流れた。
なぁ...。なんで君はここに?
沈黙を破ったのは男だった。
...ある人を探していて。
女は手紙を取り出し愛おしいそうに撫でた。
――!!
その手紙...!!
え?
男が手紙に触れた瞬間、一雫の星が流れた。
わあぁ...。綺麗...!
女は手紙そっちのけに夜空を眺めた。
キラキラと煌めく星空。
先ほどまで月しか見えてなかったのに嘘のようだ。
女は手を伸ばした。
掴めそうで掴めない。
ふっ...。
男は笑うとそっと手紙の上から手を離した。
すると、まちまち輝いていた空が再び闇に染まった。
えっ...?
...。
再び手紙に触れるとあの時の同じ光が見えた。
―――貴方...、一体何者なの...?
オレ?
オレは―――――
"手紙の主だよ"

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