第10話

無駄無駄十発
829
2023/01/02 15:42
カゴにいくつか入ったパンを早速手に取る。少しぬるかったが気にせず食べた。…わ、凄い、ガーリックのパンだった。凄い良い香りが口いっぱいに広がって美味しい…。



睨み合う2人のことなど忘れてパンの美味しさに浸っていると、すぐに前菜が運ばれてきた。こ、これは一体なんだろう…?サラダっぽいけど…。なんか不思議な匂いがする。ドレッシングの匂いかな…。
DIO
カルパッチョだ
あなた
え?
DIO
その皿の料理だ、カルパッチョと言うんだぞ。日本では刺身を使って作ることが多いが、現地では牛ヒレ肉にチーズをかけているんだ
あなた
そうなんですか!初めて知ったなぁ…。にしたってカルパッチョって面白い名前ですね!
ジョルノ・ジョバァーナ
カルパッチョと言う名前はイタリアの画家、ヴィットーレ・カルパッチョの名前から取っていると言う説があるんですよ
あなた
そんな説あったの!?凄いな…。
DIO
ぐぐぐ…。
ジョルノ・ジョバァーナ
…ふふん
また険悪な雰囲気を醸し出す2人だったが、あまり気にしないことにしてカルパッチョを食べた。これがカルパッチョだったのか…名前しか知らなかったから、こう言う料理だとは思ってなかった…。



食べてみると、あまり口にしたことのないドレッシングの味も相まってこれがまた絶品だった。イタリアの人は随分オシャレなもの食べてるんだなぁ…。



そう言えばジョルノも長い間イタリアにいたって結構前に聞いたけど…実は食べ慣れてるのかもしれない?



お皿に盛られている量自体があまり多くないのもあってすぐに平らげてしまった。カルパッチョ、美味しいじゃないか…これはリピート確定だわ()



ふと2人を見やると、睨み合いは終了していたのかカルパッチョを食べていた。2人とも表情は少し苛立っていそうな感じだったが、その割に行儀だけは無駄に良かった。



そうだ、確かDIO様ってその昔貴族のお家で育ったんだったっけ?そりゃあお行儀も良くなりますよねぇ…。テーブルマナーとか凄い叩き込まれてそうだもん…実際どうだったのかは分かんないけど…。



あまりにも整ったDIO様の所作に驚いてジーッと見つめていると、そのことに気付いたDIO様がこちらに目線をよこした。やばっ、ずっと見てたのバレた…!?
DIO
どうした?そんな愛らしい顔で見つめて…。
あなた
ぐっ…いや、なんでもありません!
DIO
そうか?私の手元を随分と興味ありげに見ていたようだが
あなた
あっバレてた!?…あ!!いやあのえっと!ホント、なんでもございません!
ジョルノ・ジョバァーナ
ふふっ、あなたはやはり嘘をつくのが下手ですね
あなた
ちょ、そこは素直って言わない!?ねぇ!!
思わずツッコミ(?)を入れてしまった。と言うかDIO様本当になんでも見抜いてるな…DIO様に嘘をついてバレなかったこと今までなかったし、なんか長い間生きてきたことで人生経験が本当に豊富になってるのかもしれないな…と痛感した。

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