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第17話

じゅうろく
1,325
2021/07/23 14:35










みんなで集まって勉強したり


藤井くんに教えてもらったり


はたまた奈緒に教えてもらったり



分からないことだらけなまま私は共通テストに挑んだ。












桜木先生
共通テストの結果が返ってきた。順に返してくぞ、




“E判定”


案の定そこにかかれていた。





想定してても悔しいものは悔しかった。

あなた
……はぁ、


ちらっと横をみると、


びっくりしているような、どこか悔しがっているような表情の藤井くん。





桜木先生の口から、みんなが何判定かが告げられた。


藤井くん、Dなんだ…


本人からしたら悔しいかもだけど、私からしたら凄かった。ほんとに凄いと思った。




あなた
…藤井くん、凄い
藤井遼
…は?どこがだよ、
あなた
E判定じゃない、ほんとに凄いよ
藤井遼
っ…そうかよ……












その日の帰り、私は1人で帰った。

藤井くんもいないし、みんなは用事だし。







私には夢があった。

東大に行くことじゃない、教師になる夢があった。





あなた
無理なのも分かってるんだけどな…







真っ直ぐ家に帰り、その日の勉強を終えて




気付いたら朝、なんてことが起こっていた。




あなた
めんどくさ……






その日の専科の授業は、私にとって

焦り、不安、絶望の三拍子だった。




周りのみんなは悔しさをバネにやる気に満ち溢れているのに 私はなんのやる気も出なかった。


今までと同じ。




あなた
(わかんない…あれもこれもわかんない…)



それでもノートに式を書き続けた



ポタッ…と水滴が白いノートに滲んだ。





あなた
あれ…



自分が泣いている、と気付いたのはその数秒後。




桜木先生
……
水野先生
あなたの名字さん…?大丈夫?




大丈夫です、と答えたくても声が出ない


早瀬奈緒
あなたの下の名前…!



私だけ置いてかれてる、外されてる疎外感

自分だけいつまで経っても出来るようにならない焦り



あなた
…もう……嫌だ……!!何で止まんないの…!
藤井遼
落ち着けあなたの下の名前!
藤井遼
ほら深く息吸え!



藤井くんに腕を掴まれ、深呼吸をした。




藤井遼
っ…大丈夫、大丈夫だから
あなた
藤井くん…っ……



藤井くんに力強く抱きしめられ、

安心しきった私は、泣き疲れていつの間にか寝てしまった










あなた
…ん!?
藤井遼
…起きたかよ
あなた
あ…え……そっか…




私が起きた時には、教室には誰もいなくて


藤井くんは水野先生に あなたの名字さんを頼んだよ、と言われていたらしい。









藤井遼
もう遅いし帰るぞ、危ないから家まで送る
あなた
え…!あ、ありがとう!





私と藤井くんは荷物を持ち、教室をあとにした。






「なぁ、俺さ」




門から出た時、藤井くんが口を開いた




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