みんなで集まって勉強したり
藤井くんに教えてもらったり
はたまた奈緒に教えてもらったり
分からないことだらけなまま私は共通テストに挑んだ。
“E判定”
案の定そこにかかれていた。
想定してても悔しいものは悔しかった。
ちらっと横をみると、
びっくりしているような、どこか悔しがっているような表情の藤井くん。
桜木先生の口から、みんなが何判定かが告げられた。
藤井くん、Dなんだ…
本人からしたら悔しいかもだけど、私からしたら凄かった。ほんとに凄いと思った。
その日の帰り、私は1人で帰った。
藤井くんもいないし、みんなは用事だし。
私には夢があった。
東大に行くことじゃない、教師になる夢があった。
真っ直ぐ家に帰り、その日の勉強を終えて
気付いたら朝、なんてことが起こっていた。
その日の専科の授業は、私にとって
焦り、不安、絶望の三拍子だった。
周りのみんなは悔しさをバネにやる気に満ち溢れているのに 私はなんのやる気も出なかった。
今までと同じ。
それでもノートに式を書き続けた
ポタッ…と水滴が白いノートに滲んだ。
自分が泣いている、と気付いたのはその数秒後。
大丈夫です、と答えたくても声が出ない
私だけ置いてかれてる、外されてる疎外感
自分だけいつまで経っても出来るようにならない焦り
藤井くんに腕を掴まれ、深呼吸をした。
藤井くんに力強く抱きしめられ、
安心しきった私は、泣き疲れていつの間にか寝てしまった
私が起きた時には、教室には誰もいなくて
藤井くんは水野先生に あなたの名字さんを頼んだよ、と言われていたらしい。
私と藤井くんは荷物を持ち、教室をあとにした。
「なぁ、俺さ」
門から出た時、藤井くんが口を開いた
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閲覧ありがとうございます😳
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。