第15話

じゅうよん
1,324
2021/07/03 03:52










思い切って気持ちを伝えたこと


後悔はしていなかった。



困らせたくない、と思いながら
逆に困らせてしまったことも分かっている。




寧ろ、前よりすっきりしていた。





藤井遼
い、意味わかんねーよ…!!





私も自分が意味わからない






藤井遼
なんだよ…それ……



私だって


分からないんだよ、






振られる、逃げられる、避けられる


その覚悟は出来ている。




私はそれだけのことをしてしまったんだから



恋愛経験も浅く

過去に付き合った人数なんて1人くらいの私に
こんな状況を乗り切ることなんてできない



あなた
ごめんね、今言っちゃって…


謝ることしかできない


彼の勉強の妨げになってるかもしれないから、


あなた
ごめん…ほんとに…困らせてごめんね…!
あなた
好きになってごめん…





人が人を好きになることは自由かもしれない


だけど、付き合ってください も無しで

自分の想いだけ伝えて言い逃げだなんて



卑怯すぎたんだ



藤井遼
俺の気も知らないで謝ってんじゃねーよ…



藤井くんの声は震えていた。



藤井遼
1回しか言わないからよく聞いとけよ
あなた
わ、分かった…!



彼は、再び私の身長に合わせて屈んで


目を合わせてこう言った。






“俺も好き”








頭が真っ白になった。





こんなこと、初めて経験した



あなた
へ…?



驚きで出なくなった声を、


必死に喉を抑えながら出した




藤井遼
ここまで言ってわかんねーの!?
藤井遼
俺と付き合って欲しい、




藤井くんはそう言うと、


目線を落とした。



あなた
びっくりして…その…こちらこそ…!お願いします!!




私は、今度こそ泣いてしまった。



藤井遼
は!?ちょっと待てって…





藤井くんに最初にかけられた言葉



ちょっとちやほやされたからって調子に乗ったのか?

これから始まって




今、好きって言って貰えた。





あなた
こんな嬉しいこと…ないよ……




藤井くんの彼女になった



実感がまだあまりなかった。



藤井遼
〜〜!あぁ…もう…!!仕方ねぇ奴だな…!!




視界が遮られたな、と思って上を見上げると




藤井くんが抱きついてきた。




正確に言うと、抱きしめてくれたの方が正しいのかもしれない。



あなた
あぁぁぁあ…ずるい…かっこいい…
 



思わず本心が口から出たが、今となっては気にしない



実感は湧かないけど、彼女なら


かっこいいの一言くらい言わせて欲しい。



藤井遼
かっこいい…とか…うるせぇな…!もう寝ろよ…!
あなた
は、はい!!!






私はその場を離れ、



全速力で部屋に戻った。




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閲覧ありがとうございます😳

藤井くん推しじゃない人もいるだろうし
瀬戸くん落ちver も今度書きます〜!

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