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第11話

9話
573
2022/01/07 01:49
それから月日が経ち、8月。

マイキーは白い和傘に歩くあなたを見つると

あなたに近づき声をかける。
マイキー
なぁあなたのニックネーム
あなた
なんだ…?
マイキー
俺の兄貴がココでバイク屋してぇんだっ
あなた
断る
マイキー
あ、やっぱり?
心底嫌そうな顔をしているあなたを

マイキーはケラケラ笑いながら見る。
あなた
ったりめェだ
んなもん持ってきたら浅草の空気が汚れるだろォが
マイキー
えー、良いじゃん
マイキー
空気なんて何処も同じだろ?
あなた
違ェよ
あなた
浅草にゃァ浅草の空気ってモンがあんだ
あなた
それをばいくに穢されちゃ敵わねェよ
マイキー
…じゃああなたのニックネームは普段どうやって移動してんの?
あなた
徒歩
その言葉にマイキーは固まる。
マイキー
……あなたのニックネーム
あなた
…んだよ
マイキー
せめてチャリには乗れよ
あなた
……言わせてもらうが、俺がチャリンコ転がしてんの見たらテメェら引くだろ?
マイキー
うん、大分
あなた
だろ?だから俺ァ徒歩なんだ
マイキー
じゃあ今度うち来いよ!
真一郎にバイク乗せてもらおーぜ‼︎
あなた
はァ?ここの番は誰がやんだよ
マイキー
俺がやる!
マイキーは胸を張りながらそう言った。

その姿はいつの日か喫茶店で言っていた

「ホーク丸なら首都高に乗れる‼︎」

と根拠もない自慢をしていた時の様だった。
あなた
不安だ…
マイキー
大丈夫だって!俺ならやれる!
あなた
…ホントにやれんのかァ?
マイキー
俺ならできる!
あなた
……………
あなた
でもなァ
テメェに任せるのはやっぱり…
マイキー
婆ちゃ〜ん!紙とペンちょーだい‼︎
mob
おやおや、マイキーちゃん
婆ちゃん特性団子はいるかい?
マイキー
いる!後、紙とペンもちょーだい!
mob
ちょっと待っててね
今団子をこさえてくるから
マイキー
婆ちゃん、紙とペン
mob
あぁ、はいはい、そこにあるよ
マイキー
ん!サンキュー‼︎
マイキーは紙にスラスラ~と何かを書くと

それを二つに折りあなたにはい!と手渡す。
あなた
何だコレ?
マイキー
俺ん家の場所の地図‼︎
書いてやったんだから早く行けよ!
マイキーはそう言うとあなたの背中を押す。

あなたは暫く抵抗し続けていたが

この抵抗は無意味だと悟り、マイキーに従う。
あなた
わァったから押すな…ったく、
あなた
行きゃァ良いんだろ?
あなたのその言葉を聞いたマイキーは

「いってら〜」と笑顔で送り出す。

あなたは再びため息をつくと

駅に向かって歩き出す。
あなた
チッ…めんどくせェ
都会では珍しい格好をしているあなた。

しかし、その顔は不機嫌そうだがイケメンだ。

その上和服がとても似合っているため

いい意味であなたは注目を集めていた。
mob
あの人ちょーカッコいいんだけど⁉︎
mob
写真お願いしよーよ!
mob
良いねそれ‼︎
あなた
何処だよココ…
あァ、そういやァ地図があっ
mob
すみませ〜ん
あなた
あ"…?
mob
あの、私達と写真撮ってくれませんか?
そう言って2人組の女性の内の1人が

スマホを取り出した。
あなた
んなめんどくせェ事しねェよ
mob
おねが〜い!
現在16歳であるあなたは背が高い。

170はあるだろう。

それゆえカッコ良さが増しているのだ。
あなた
だから撮らねェっつてんだろ
あなたは断り続けるが

女の方もしつこく声をかけてくる。
あなた
チッ……
あなたの怒りが爆発する直前…。
??
こんな所にいたんだ〜!
??
探したぞ!
あなた
??
誰かがあなたに声をかけて来た。

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