それから月日が経ち、8月。
マイキーは白い和傘に歩くあなたを見つると
あなたに近づき声をかける。
心底嫌そうな顔をしているあなたを
マイキーはケラケラ笑いながら見る。
その言葉にマイキーは固まる。
マイキーは胸を張りながらそう言った。
その姿はいつの日か喫茶店で言っていた
「ホーク丸なら首都高に乗れる‼︎」
と根拠もない自慢をしていた時の様だった。
マイキーは紙にスラスラ~と何かを書くと
それを二つに折りあなたにはい!と手渡す。
マイキーはそう言うとあなたの背中を押す。
あなたは暫く抵抗し続けていたが
この抵抗は無意味だと悟り、マイキーに従う。
あなたのその言葉を聞いたマイキーは
「いってら〜」と笑顔で送り出す。
あなたは再びため息をつくと
駅に向かって歩き出す。
都会では珍しい格好をしているあなた。
しかし、その顔は不機嫌そうだがイケメンだ。
その上和服がとても似合っているため
いい意味であなたは注目を集めていた。
そう言って2人組の女性の内の1人が
スマホを取り出した。
現在16歳であるあなたは背が高い。
170はあるだろう。
それゆえカッコ良さが増しているのだ。
あなたは断り続けるが
女の方もしつこく声をかけてくる。
あなたの怒りが爆発する直前…。
誰かがあなたに声をかけて来た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。