第5話

5,ヒーロー
2,811
2020/03/23 01:46
―Coron side―


こ「っ……ヒグッ……グスッ」


なんで…


なんであなたは僕に黙ってたんだろう…?


知られたくなかった…?


─私,大きくなったらころちゃんと結婚する!!─


ずっと…


─ころちゃん…〇〇ちゃんと喧嘩したぁ…グスッ─


ずっと……


─ころちゃん…ずっと幼馴染み,として隣に居てね─


ずっと………あなたの傍に居たのに…


僕は…


僕はあなたの幼馴染み以上にはなれないの…?


あなたは………僕の…


好きな人であり…


幼馴染みであり……

























































ヒーローなのに……っ
























あなたと出会ったのは…5歳?くらいだったかな?


僕があなたの家の隣に引越してきて,あなたから声を掛けてくれた


『初めまして!私,あなたって言うの!』


『君は?』


こ「僕…ころん」


『ころん…ころんくん……んー…』


こ「??…」


『ころちゃん!』


こ「?!?!」


こ「そんなに…親しく呼ばないで…」


僕は小さい頃から何かとひねくれてて,あなたに「ころちゃん」と呼ばれた照れ隠しとしてあなたを離してしまった


―次の日―


今日も僕は庭のテラスに座って昨日の子…


あなたの家の方を見る


こ「はぁ……もう話しかけてくれないだろうな…」


だって初対面であんなに突き放してしまったんだもの


『やっほー!あ,手に持ってんのってこの前発売されたばっかのゲームだよね?』


嬉しかった…


あなたに話しかけてもらって毎日が楽しくなった


あなたに言われること言われること…1つ1つが頭に残ることばかり…


(ゲームが好きなのも,初めてあなたに褒めて貰ったのがゲームだからだよ)


でもやっぱり僕はあなたに冷たく接してしまって,あなたはそんな僕になんで話しかけてくれるんだろう?と謎でしか無かった


―その年の夏祭り―


その時僕はお母さんとお祭りに来てたんだけど人混みに押されて迷子になり,挙句の果てには神社の近くの森に入ってしまった…


こ「っ…グスッ……ここどこ…?」


遠くでは地車の音や,人が話している声,屋台で食べ物を焼いている匂い…等するが森から出ることが出来なかった


こ「お母…さん………グスッ」


??「あ!居た!」


こ「ふぇ………?」


こ「あなた…?」


『もー探したよお?』


こ「なんで…あなたが……?」


『なんで,って…だって………』


『“友達”でしょ?』


こ「………友達…?」


そこで謎が解けた気がした


あなたが


僕に話しかけてくれるのは


笑ってくれるのは


褒めてくれるのは


探してくれるのは…


僕と…友達…だからなのか


『うん!友達!』


僕はあなたに沢山助けて貰ってる


小学校の時も


中学の時も


今だって……


いつも助けて貰ってる…


でも…………


そんなあなたに気持ちも伝えず


ずっと“幼馴染み”としてあなたの傍をキープしてる僕って……


あなたの何なんだろ………?


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