第5話

新しい「友達」
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2021/03/11 08:52
クヌギの木さんと別れてからどのくらい、ひとりで走り続けていたんだろう。

いつも、周りにはずっとお友達がいたから、ひとりで苦しむことなんてなかった。

だから、
ポプラの木
ストラ!こっちだ!
ポプラの木さんの声が聞こえた時、すごくほっとしたんだ。
ストラ
ストラ
ポプラの木さん!
ストラ
ストラ
よかった…さみしかったよ…
ポプラの木
ストラ、よく頑張ったね。
優しい声が、温もりが、もう大丈夫だって感じさせてくれる。
ポプラの木
何かあっても、
ポプラの木
俺がストラを守るから。
ストラ
ストラ
…うん、ありがとう。
これでもう、わたしはひとりじゃない。
そんな風に安心したら、今までの疲れが出てきた。
ストラ
ストラ
ポプラの木さん、ちょっと、休んでもいい?
ストラ
ストラ
疲れちゃったの。
ポプラの木
そうだろう。頑張ったからな。
ポプラの木さんの大きな洞に入り込んで、疲れた足をほぐす。
と、その時、
ポプラの木
…誰だ。
いつもより低いポプラの木さんの声がして、外を見る。







そこに、見たことの無い「人間」がいた。
???
………
「人間」は黙ったまま、ポプラの木さんの幹に手を触れた。
ポプラの木
……!
ポプラの木
お前は…!
ストラ
ストラ
ポプラの木さん?
何があったのか分からなくて、私も外にでる。
すると、
???
…見つけた。
その人は掠れた声でそう言い、わたしの手を取った。
ストラ
ストラ
えっ?
ポプラの木さんの方を見ても、ポプラの木さんは何も言わない。
ストラ
ストラ
えっと…あなたはだれ?
とりあえず、いつも森のみんなと話す事を言ってみる。
アルト
…俺の名前は、アルトだ。
アルト
君は、ストラ、でいいんだよな
ストラ
ストラ
わたしのこと、知ってるんだぁ。
ストラ
ストラ
じゃあ、あなたも、わたしのお友達ね!
お互いの名前を知ったら、お友達だって、森のみんなは言っていたから。
わたしがそう言うと、アルトはちょっとだけびっくりしたみたいな顔をして、
アルト
…あぁ、そうだ。
アルト
俺は君の友達だ、ストラ。
そう言って、初めてにっこり笑った。


――きっとこの人は信じられる人だ。
わたしはどうしてか、その笑顔を見て思ったんだ。

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