私の会社は社内恋愛禁止だ
でも私の彼氏は
私の部の部長
部長に呼ばれて机の前まで行く
こんなのも、初めのうちは彼氏彼女なのにな、と
恥ずかしいような照れくさいような
変な感じがしてたけど
渡された資料をめくりながら
席へ戻る
すると、いつもの通り途中に付箋が貼られている
『お疲れ様、お昼はいつものところで』
私たちは会社にバレないように
付き合っています
お昼休みになった
私は先に部屋を出ていく
時間差で彼が来るためだ
誰かに話しかけられる前に速攻で出ていく
いつものところというのは、空き会議室のこと
ここには絶対と言っていいほど人が来ない
私たちはここを利用してお昼ご飯を一緒に食べる
私は先に着くといつも
イスに座って彼を待つ
ガチャ
そこには、部長(彼氏)が立っていた
私たちはさっそくお昼ご飯を食べ始める
これも、私が家で2つの弁当を作って持ってくる
それはひとつシュアの分なのだ
私はその言葉を聞くためだけに作ってるといっても
過言じゃない
そんな小さなお礼の言葉でさえ照れてしまう
ニコッと私に笑いかけるシュア
その笑顔は反則だよ...!!
そう言ってシュアが顔を近づけてくる
なに!?
まさかここで...!?
私が先を予測して目をつぶった時
私の口元にシュアの指が当たった
そう言って私の口についていた
ソースを舐めるシュア
私が勝手に妄想していた出来事じゃなくて
ただついてたものを取ってくれただけ...
私は変な妄想をしていたことが恥ずかしくなって
顔を赤くさせた
私がそう言いかけた時
シュアが立ち上がって私の方に向かってきた
私と目線を合わせて肩に手を置かれる
思わず目をつぶると
私の口になにか指じゃないものが当たって
離れていった
私が即座に目を開けると
シュアは赤い顔をして
と小さな声で言って
私の顔を見ないようにして
出て行ってしまった
今日は一緒に過ごせる時間が短かったけど
私たちは付き合って始めて
唇を重ね合わせた
シュアの唇って...めちゃくちゃ柔らかかった...
私はそのあとしばらく動けなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!