第36話

ウジ × You
3,737
2020/01/31 11:00
今、私のクラスでは




文化祭でやる劇について、という話し合いが




行われている ______

















学級委員
えー、では、今回の文化祭でやる劇は白雪姫で決定でいいですか?
友達
はーい
あなた

白雪姫か...

学級委員
それじゃあ、次は役決めします
学級委員が順番に役柄を書いていく
友達
ねえ、あなた
あなた

ん?

友達
白雪姫役と王子様役ってさ...キス、するの?
あなた

...は!?

友達
大声出さないでよ、冗談だよ〜
あなた

そ、そうだよね...

でも、でももしも本当にやるんだとしたら...




私の目線の先には

































友達
おい、お前やれよ、王子様役
ウジ
ウジ
俺?
友達
お前以外いないだろ?ウジってめちゃくちゃかっこいいし...
ウジ
ウジ
かっこよくはないけど
友達
いやいやウジ、その顔でそれは言えないわ
友達
学級委員さん〜 こいつ王子様役推薦で
ウジ
ウジ
は!?
学級委員
あ、ウジくん?やっぱりね〜
王子様役はウジくんしかいないと思ってたから〜
ウジ
ウジ
なんで俺...!?











ウジくんがいた




私の好きな人は...その人、ウジくん




未だにあまりしゃべったことなくて




くんづけが取れないでいる




でも初めて同じクラスになって




かっこいいところも優しいところも




気がついたら好きになってた ______
学級委員
じゃあ...白雪姫役は誰やりますか?
友達
アキちゃんしかいないでしょ!
アキ
え〜、私?
友達
それしかないだろ!美男美女って言ったらウジとアキだもんなー
学級委員
じゃあ、アキちゃんで決定します






嘘...でしょ?




クラス内の美男美女と言ったら




絶対にウジくんとアキちゃんなのは分かってる




学年内で見てもアキちゃんは可愛い




でも...




前に聞いたことがあるのは、アキちゃんも




ウジくんが好きだって噂.....


王子様役と白雪姫役なんてやったら...




ウジくんもアキちゃんのこと好きになっちゃうよ...

































私はその後の練習も気が乗らないまま




ただただ見ていた



































ある日の練習




アキちゃんとウジくん2人だけのシーンだった




友達
やっぱお似合いだね...2人...
友達
そうだよな...美男美女カップルはあそこで決まりだよな...
友達
ウジくんは誰が好きなの?アキちゃんかな?
友達
いや、どうなんだろ...
俺聞いたことないけど...
友達
アキちゃんはウジくんだった気がするよ?

隣で話す友達の声




やっぱりアキちゃんはウジくんのことが.....









すると




ウジくんたちの方から大きい音が聞こえて




頭を上げると




アキちゃんが滑って倒れそうになっていたところを




ウジくんが抱きかかえていた







アキ
ごめん...!ありがとう...
ウジ
ウジ
俺は大丈夫だけど...アキは?大丈夫?
アキ
うん、大丈夫...
周りのみんなはあまり気にしてない人が多くて




見ていたのは数人だけだった




でも






友達
やっぱりアキちゃんって好きだよね、ウジくん
友達
あの様子じゃウジもアキのこと好きだろ
そんな声が飛び交うのを




私は聞いていられなくなって




荷物を持って教室を飛び出した














































本番当日 .....




学級委員
みんな、最終確認できてる?
友達
こっちは大丈夫だよー
友達
こっちもー
みんなが和気あいあいと採集確認していると
先生
誰か...白雪姫役やれる人いない?
先生が焦って教室に入ってきた
学級委員
白雪姫役って...どういうことですか!?アキちゃんは...?
先生
アキちゃんは...熱で今日はお休みだって...
今連絡がはいって...
友達
どうすんだよ!白雪姫がいなきゃ白雪姫じゃねえじゃん...!
友達
でも...アキちゃんじゃないと無理だよね...?
いきなりの事態に




みんなが混乱している




嘘...アキちゃん今日いないんだ...




私はどうするのかとウジくんを見た







すると
ウジ
ウジ
あー...俺に考えがあるんですけど
先生
なに?この際なんでもいいから言ってみて
先生がウジくんの言葉の先を促した




















ウジ
ウジ
...あなた、白雪姫役やってよ
ウジくんが私の方を見てそういった




私...!?!?
あなた

え...!?

私はウジくんが指名したことに対して




凄く嬉しいっていう気持ちと




なんで私なの...?と思う疑問とが




合わさって複雑な気持ちになっていた
友達
あなた...?
友達
まあ...たしかにあなただったらこのクラスでアキに続く美人だけど...
先生
じゃあ...あなたちゃん、お願いできる...?
あなた

は、はい...

気がついたら頷いていた




私がウジくんの方を見ると




もう私の方は見ていなかった
































私はそのあとウジくんのところに行った
あなた

...ウジくん

ウジ
ウジ
ん?...あぁ、あなた
あなた

なんで...私のこと指名したの...?

ウジ
ウジ
...俺正直、白雪姫やるって決まってからもしやるなら相手役はあなたしかいないなって思ってた
あなた

え...!?どうして...!?

ウジ
ウジ
あなたなら...感情入れやすいから
あなた

感情...?入れやすい...?

赤くなるウジくんの顔




私はすぐには意味がわからなかったけど


















私のことが好きなんだって




あとあとわかったのだった

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