会社の前で待ち合わせをしたつもりが
社長室まで来ていた。
彼は心配そうな顔をして私を見ていた。
会社を出て
車に乗る。
向かったのはパスタ屋さん。
おいしいねって言いながら食べた
彼は優しい表情で私を見つめた。
私も彼をそう見つめた。
着いたところは
広い広い家だった。
一軒家の一人暮らし。
テーブルに紅茶が置かれる
ほんとに浮気だったら?
どうしよう。
考えたくないよ。
紅茶の香りがする。
私の香りはどんな香り。
大きな洗面所に
ぽつんと私がひとり。
シャワーから出ると
黒いワンピースが。
着てみると
案外いい感じ。
ポンポン、と招かれ
彼の隣に座る。
テレビには明日の天気予報が流れる。
彼はリモコンをテーブルの上に置いて
私の手を握った。
私は頷いてしまった
それと同時に
彼が私を押し倒した。
シャツのボタンが2個あいていて
ネクタイは緩まり
スーツが乱れている
そんな彼に色気を感じる。
私はそらすつもりだったが
彼は私を抱いた。
不安と快感が押し寄せて
私の香りは
いっそう濃くなって
彼を誘ってしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。