朝がきた。
今日はなんだか目覚めがいい。
準備をして、車に乗る。
絡まる指が、温かい。
会話をしていると
すぐ会社に着いた。
と言って、ドアを開けようとすると、
車の中でキスをして、
私は火照ったまま、会社に行った。
書類をまとめるのも、
パソコンに入力するのも
手際が良くなったと思う。
コーヒーを作って持っていった時、
テーブルに置いたグラスが倒れてしまった。
彼のスーツにはコーヒーが
なんともいえない模様にかかっている。
慌ててタオルで拭き取るが、
自分の持っていたお盆の上のグラスも倒れ
私もコーヒーまみれ。
私の目の前で普通に着替え出した。
渡されたのは白いワンピース。
ひとつため息をついて、
社長室の隅っこに行き、
ささっと着替えをした。
社長に背を向け
後ろの首元にあるタグをハサミで切ってもらう
うなじに チュッ と印をつけた。
そう言って私を抱きしめる。
大きな身体におさまる私のからだは
誰のものだろうか。
彼は耳元で
と言った。
午後13:30
静かな社長室に
音が響く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。