32階までまた上がり、
社長室に帰った
すると社長はまじまじと私の顔を見つめた
本当に自分からどんな香りがしているのか
わからなくて、不安で仕方がなかった
私は社長の座っているデスクに向かった
やっぱり私に抱きついた
そんな香りするんだ。
匂ってみたい。すごく気になる
私は社長を少し押して離れた
腕をガシッと掴まれ
社長は手ぐしで髪をといてくれた
家に向かった
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社長side
廊下ですれ違ったときの香りは
凄い甘い香りだった。
香水では真似できないような。
良い意味で、彼女に酔いそうになった
企画部の部長からは、よく仕事がこなせる
人だと聞いて、一緒にいて欲しいと思った
社長室に来たとき。
あの時とは違う香り。癖になるんだ。
首に印をつけたりして、やってしまったとも
思ったけど
彼女も彼女だ。
今まで何人の男に言い寄られたんだろうか
この香りに気づいた人は、
好きにならないわけがないだろう。
旦那がいるのも、もちろん知っている
でもそんなこと関係ない。
最近彼女はよく笑う。
それも、ものすごく可愛い。
彼女が社長室からいなくなる17:30。
部屋がとても寂しく感じる、
だからずっと傍にいて欲しいと感じた
彼女に恋をしている
面と向かって言ってやりたい
俺のこと、好きになれよ。
ってね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!