第38話

妹の最後。
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2020/12/28 09:00
あなたside






せっかくのお出かけが台無しになっちゃったけど、帰る時から藍くんがすっごく過保護。





『藍くん?』

伊吹「んー?」

『は、恥ずかしいんだけど//』

伊吹「いーじゃん。てか俺が心配でしょうがないの。」

『そっか、』





今、藍くんに肩を抱き寄せられてる状態。
外でこんなに密着したのなんて初めてで、すごく恥ずかしい。

でも周りにいるカップルさん達は、みんなこれくらいの距離感。




改めて考えると、今はクリスマスの時期だ。




『もうすぐクリスマスだね』

伊吹「そうだね〜。パーティーとかしたいんだけどなぁ、」

『お仕事だもんね、』

伊吹「俺のクリスマスは志摩と2人きり。あなたが良かった〜〜」

『ふふ、志摩さんとのクリスマスもいいじゃん。帰ってきたら2人でゆっくり過ごしたいな』

伊吹「あ〜そんな可愛いこと言われたら仕事頑張れる!!」








いつもみたいなテンションに戻った藍くんとお家へ帰った。









.



日付はまもなく、12月26日。
分駐所にいるのは、私とすみれと4機捜のメンバー数人。



その中には藍くんも志摩さんもいなくて、
久住さんも陣馬さんもいない。








すみれは今、自分の周りのものを片付けている。
もう少しで、すみれのことを気にかけていた近所の奥さんがすみれのことを引き取ってくれることになった。
私は藍くんがいるから大丈夫だったけど、すみれをずっと志摩さんに預けているのも申し訳なくて。









『すみれ、明後日だっけ?』

すみれ「うん。なんか、寂しくなっちゃうね」








いつも強気なすみれが、こんなに弱々しく笑う姿を初めて見た。










すみれ「志摩さんと離れるのも、寂しいな」

『そうだね、』

すみれ「意外と、好きだったのにな。この空間が」

『またいつでも、来てね』

すみれ「…うん!」










すみれは、ここを離れるのが凄く寂しそうだった。
でも志摩さんに迷惑かけられないというのと、自分自身がもう一度やり直したいという気持ちがあったから
高校からちゃんと、学校に通うことにしたのだ。









すみれが4機捜のみんなと一緒にいられるのは、今日が最後。
明日は志摩さんと2人で過ごすらしい。







『いつでも連絡して?』

すみれ「うん!また奥多摩来てよ笑」

『もちろん。絶対行く』

すみれ「楽しみにしてるね」

『私も!』









嬉しい。あんなに尖ってたすみれと、こうやって普通に話せて、仲良く笑っていられる。









12月26日 午前9時ちょうど。

24時間重点密行に出ていた404の2人が帰ってきた。










伊吹「ただいまぁー!」

『おかえりなさい』







いつもみたいにぎゅっと抱きついてくる藍くん。







志摩「ただいま」

すみれ「おかえりなさい」







志摩さんはすみれの頭をポンポンと撫で、愛おしそうな目で見つめている。










志摩「伊吹、さっさと報告書終わらせるぞ」

伊吹「合点承知の助〜!」










藍くんが志摩さんに注意されながら報告書を書く姿。
すみれと二人でこの姿を見るのが凄く楽しかった。

この大好きな時間も、今日が最後。

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