第39話

遅めの
555
2020/12/30 09:00
あなたside










家に帰ると、藍くんは先にシャワーを浴びに行った。
私は遅めの夜ご飯を作ってあげて、藍くんが上がった後に2人で食べた。


クリスマスだからちょっとでも豪華な料理を作りたかったけど、そんな暇なくて。
いつもと同じく、簡単で無難なものしか作れなかった。



それでも







伊吹「ん〜うまっ!やっぱあなたの料理ほんと美味い!!」

『ありがとう』

伊吹「これからも俺のために料理いっぱい作って?」

『もちろん。藍くんの為ならいくらでも作る!』

伊吹「やった〜」






こうやって、いつも嬉しいことを言ってくれる。
それが本当に嬉しくて。









『藍くん、』

伊吹「ん?」

『いつもありがとう。』

伊吹「んふふ、いいのいいの。俺はあなたがいるだけでも幸せなんだから!」

『でも、せっかくのクリスマスなのに。簡単なのしか作れなくてごめんね?』

伊吹「ぜんっぜん気にしてない、てかむしろあなたの料理食べられて幸せだよ?」

『嬉しい、』

伊吹「ふふ
そんなあなたちゃんに、藍サンタからプレゼントでーす!」

『えっ』







いきなりの展開にびっくり。
奥から何やらプレゼントを持ってきてくれた藍くん。





伊吹「開けてみて?」

『うん』






そこには、凄く綺麗な宝石があった。







『っこれ!』

伊吹「すっごく欲しそうに見てたからさ〜」






この前お出かけに行った時、ショーウィンドウに飾られていて、ついつい見とれてしまった宝石だった。
あの後直ぐに帰ってしまったから、結局ちゃんと欲しいとは藍くんに言えなかったのだけれども。

これが1番、あのお店にあった宝石の中で欲しかったものだ。







『う、嬉しい!ありがとう!』

伊吹「おっ、可愛い〜あなた」







思わず藍くんに抱きつくと、ポンポンと頭を撫でてくれた。







『じゃあ、プレゼント返ししちゃおうかな』

伊吹「え!」






実は私も、こっそりプレゼントを用意していた。







『開けてみて?』

伊吹「うん!
…えっ!マジか!」

『へへっ、どうかな』

伊吹「めっっちゃ嬉しい!これどこで、」

『結構前から探してて、この前ようやく見つけたから買ってきちゃった。』

伊吹「うわぁ〜嬉しい!」





藍くんにあげたのは、藍くんがいつも欲しがっていたスニーカーと、
寒い季節に使って欲しいと思って買ったマフラー。もちろん藍色の。






伊吹「ありがとう!これ付けて俺仕事頑張れる!!」

『良かった〜』

伊吹「あ!ケーキ食べよっか!買ってきたんだ」

『ほんと!食べたい!』

伊吹「よし!」






冷蔵庫から出てきたのは、2人で食べるのにはちょうどいいサイズで、
サンタさんも乗ってる可愛いケーキ。




半分に切り、お皿に分ける。





「『いただきます』」

『ん!美味しい!』

伊吹「ん〜今のあなた最っ高にきゅるきゅるだった。」

『いいから藍くんも食べて!!笑』






2人でわいわい食べるケーキは、世界で1番美味しかった。














.

片付けを終え、時刻はまもなく午前3時。
仕事柄、こんな時間になるのはいつものこと。これからお昼まで、ゆっくり眠る時間が幸せなんだ。









伊吹「消すよ〜」

『はーい』




カチッと電気を消して、暗くなった部屋。





モゾモゾと布団に入ってきた藍くん。
やっぱり体温の高い藍くんは温かい。



ぎゅっと抱きついてみる。







伊吹「んふふ、可愛いなぁ、」

『藍くんあったかい、』

伊吹「いつでもあっためてあげる!」

『ふふ、ありがと』

伊吹「おやすみ」

『おやすみなさい』







おでこにキスをしてくれた藍くん。
2人で抱きしめ合って眠る、遅めのクリスマス。

プリ小説オーディオドラマ