第20話

助けて
1,006
2020/11/01 09:00
あなたside










.

バタン

ドタドタ

キャー!!



『えっ、?』



1階が騒がしい
悲鳴も聞こえる、罵声も、、
知らない男の声、、、




怖くて部屋から出られない







声が聞こえなくなったと思ったら、

私の部屋へ向かう足音が聞こえる







ガチャ




『きゃっ、!』

男「しっ!静かにしろ!」

『〜〜っ、、(涙)』






怖くて涙が溢れる

男はかけていたサングラスを外し、私の服を脱がしていく








必死に抵抗するが、高校生の私には敵わない


反抗しようとすると、叩かれた

右の脇腹にアザができた









色んなところを触られて、舐められて

気持ち悪くて意識を失いそうだった








“誰か助けて”

そんな言葉も発することができないほどに怖かった








バンッ!!


「てめぇ何してんだ!!」


ボコッ
1人の男性がその男を殴った


ゾロゾロと警察官が入ってきて、男を取り押さえる


初めに男を殴った男性が駆け寄ってきて、自分のパーカーを脱ぎ、羽織らせてくれた

そして優しく抱きしめてくれた



「怖かったな、ごめんな」

『ありがとう、、ございます、、(涙)』

「こんなに男ばっかのところで裸なのやだよね、服着よっか」

『はい、』






手が震えていて言うことを聞かない

彼は服を着させてくれて、警察官が乗る車に乗せられた



伊吹「お名前、あなたちゃんで合ってる?」

『はい。如月あなたです、』

伊吹「落ち着いて、聞いてね」










伊吹「お父さんとお母さん、亡くなったんだ」

『えっ、』





頭が真っ白になった

あの男に、両親が殺された

それを聞いてから何も考えられなくなった


.




ガバッ!!





『ゆ、夢、、?』




昔の記憶を思い出した。
家族は殺されていて、妹はどこにいるか分からない。






そして今、私は、、、









『どこ、、?』




薄暗い場所にいた。





ガチャ





ドアが開いて、1人の男が入ってくる。
見覚えのある、家族を殺した男。





『やめて、、!』

男「ここは誰も来ないよ。助けを呼んでも無駄。」

『いや、助けて、っ、、』







あの時と同じだ。怖くて体が動かない。
男はまた、服を脱がしていき、体を触る。
顔や、お腹や、胸、足から足の付け根。
気持ち悪い、、意識を失いそう、、、

でも、負けない
藍くん達が助けに来てくれるはず、来るまで、負けない、、!






男は気持ち悪い手つきで色んなところを触ってきて、舐めてくる





あの時の感覚が戻ってきて、涙が止まらない




男「泣いてるのも、そそるなぁ、」

『うるさい、っ』

男「あ、アザまだ残ってるね。俺の印」







そう言って右のお腹を撫でる
1年半前、こいつに叩かれて出来たアザ。











ダメだ、もう、無理、、

怖くて、気持ち悪くて、動けない。声も出ない、









もうダメだ、そう思った時、自分の意識はどこかへ飛んで行った

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