第8話

心配
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2021/03/28 00:35
伊吹side













心配だ







心配すぎる








『はぁぁぁ、、、、』

志摩「さっきから何回ため息ついてんだよ」

『だってぇ、あなたと付き合い始めてからあなたが体調崩したの初めてだよ?』

志摩「ふーん。まぁ彼女が体調不良ならそりゃ心配だな」

『でしょ!?志摩も隊長が具合悪そうにしてたら心配でしょ!?』

志摩「…急に何だよ」

『なーんでもー』

志摩「はぁ、」

『志摩ちゃんこそため息ついてんじゃん!』

志摩「お前のせいでな」









ここでまた事件発生。
今日くらいあなたの事だけ考えさせてくれよ〜〜




発砲事件、犯人も撃たれた女性も逃走中、かぁ、、、










え、隊長結構重要な役目だからやっぱり仕事つくよね

うわぁ申し訳ねぇ、、

他の人に頼んどけばよかった、、、






志摩「さっきから顔がうるさい」

『…顔がうるさい、、?』

志摩「心配なのは分かるが、隊長か、他の人がちゃんと見てくれてる。
隊長は1人の女性を放置するような人じゃない」

『へぇ〜なるほどね』

志摩「だから安心しろ。行くぞ」

『りょーかい!』







初動捜査が終わったみたいだから、1度署に戻る





志摩「戻りました」

桔梗「お疲れ様」

『隊長、あなた大丈夫ですか?』

桔梗「寝ちゃってる、今から私も仕事に戻った方が良さそうだから、代わりの人に頼むわ」

『お願いしまーす』







眠っているあなたの所へ行く









『大丈夫かな〜』

志摩「風邪か?」

桔梗「多分そうね。関節痛もありそう。だるそうにしてるから寝かせといてあげましょ」

『あ〜、こんなに細くなっちゃって、、、』










俺と出会った時、こんなにも弱々しくなかった

あの時裸だったあなたは、ちゃんと女性らしい体つきだった

その時はそんなの気にすることも無く、彼女を保護するのに必死だった、てか気にしてたらただの変態だし。警察官だからこういうこともある








でも、事件後から彼女は急速に痩せ、脳の成長も遅れ始めた


あの事件は未然に防げなかった、あいつはただ自分の感情で何も準備せずに犯行に及んだから。






この子の人生を狂わせたあいつ、

精神的障害者として、罪は軽かった






あれから何度も思った

どうしたら事件を防げた

どうしたら間に合った

どうしたら彼女と、彼女の家族を守ってあげられた、、












志摩「なにぼーっとしてんだよ」

『ん、あぁごめん、色々考えてた』

志摩「それに、あなたちゃん起きてる」

『あなた!ごめんうるさくて、』

あなた「いぶき、くん、!」





弱々しく抱きついてきた彼女は熱かった






『ごめんなあなた、これからまた行ってくるから、ゆっくり寝ててな』

あなた「いつかえってくる?」

『んー、、それはまだわかんないな』

あなた「そっか、」

『でも、絶対に犯人捕まえて来るからね』

あなた「がんばってね、」






彼女をまた寝かせて、頭をポンポンと撫でると
またゆっくりと目を閉じて眠り始めた







志摩「よし、行くか」

『はーい』

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