雅の手をとり、2人で帰路を歩く。
私たちが付き合い初めてから最初の数日は周りがとてもザワザワしていた。理由は雅がすごくモテていたから。
珍しく顔を染めている雅ににやにやが止まらない。
ふざけて言ったのに、そんなこと言われたら
私も頬が赤くなるに決まってるじゃん。
私のことずっと好きだったんだ。
胸が熱くなった。
それ褒めてないでしょ!
逃げようとする雅を私は必死に追いかける。
付き合い始めたと言ってもまだまだ変わらない私たち。
曲がり角を曲がったところで雅が立ち止まっていた。
そう言って手を差し出す雅を
私はしっかりと握り返した。
私たちは私たちなりに愛を育んでいこう。
Fin。・:+°
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。