第25話

帰り道
620
2020/06/08 22:43
ひとしきり遊んでショッピングモールを出ると、もう日が傾き始めていた。
木村瑠衣
もうこんな時間かぁ
あなた

時計を見ると、ちょうど17:00になったところだった。
木村瑠衣
とりあえず帰ろっか
あなた

うん

他に行くところも無いし、帰ることに。
木村瑠衣
あ、連絡しなきゃ
義母に連絡を入れる瑠衣くん。

律儀だなぁ。
木村瑠衣
……………おっけー
ささっと連絡をして、スマホをしまう瑠衣くん。
木村瑠衣
帰ろっか
あなた

そうだね

改札を通り、ちょうど来た電車に乗った。


しかも電車は空いていて、二人で座ることができた。

ガタンゴトン。規則正しい揺れに、眠気を誘われる。
木村瑠衣
眠いの?
あなた

ん………眠くない

木村瑠衣
嘘つけ
眠いけど……今ここで寝たって30分しか寝れないし。

木村瑠衣
寝ちゃえばいいのに
あなた

ん…………

けど眠い………………。
木村瑠衣
丶(・ω・`) ヨシヨシ
あなた

ん……(-_-)zzz

だめだ………瑠衣くんには悪いけど寝させてもらお、
**瑠衣くんside**
今日のお出かけ、あなたちゃんは楽しんでくれたかな。

きっとあなたちゃんのご両親は、愛の伝え方が分からなかったんだろうな。

いつもお仕事ばかりの人たちだったみたいだし。

けどあなたちゃんのことを嫌いだったはずない。

ご両親は、愛の伝え方を知らなかっただけなんだろう。

共に食事を取ることや、

ただただいっしょにぼーっとすることや、

おしゃべりをしながらのんびりテレビを見たりすること。

そんな、当たり前のことが分からなかっただけで。

きっと、あなたちゃんのことは大切に思ってたはずなんだ。

けど寂しいと思っているなら、

僕がたくさんの愛を、

精一杯の優しさを、

僕の隣を、

最愛の君に捧げます。

だからあなたちゃん、

これからもずっと、僕の隣に居てください。
………愛してる

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