第22話

僕の隣にいてよ
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2020/06/03 09:51
義兄(木村瑠衣)
………落ち着いた?
しばらく経って、そっと訊いてくる瑠衣くん・・・・
あなた

うん……ありがとう

あんな風に抱きしめられるのなんて、幼稚園以来だった。

小学校に上がってからはお仕事もあったし、友達も居なければ両親ともお仕事の話しかしなかったし。
義兄(木村瑠衣)
……………ねぇ
あなた

ん?

少しして、また話しかけてくる瑠衣くん。

上を向くと、真剣な目をした瑠衣くんがいた。
義兄(木村瑠衣)
僕が、あなたちゃんの隣に居たらだめかな?
あなた

………え?

義兄(木村瑠衣)
カレカノのフりじゃなくて……“あなた”のほんとの彼氏になりたい
突然の告白に驚く。
あなた

え………?

思わず、固まってしまう。

瑠衣くんのことをそういう風に意識したことがなかったし、

そもそも恋ってなんなんだろう……。

友達の“好き”と、恋愛の“好き”は違うのだろうか。

ちなみに今は瑠衣くんのこと、好き……なんだけど。

これは友達としてなのか、

家族としてなのか、

それともひとりの”男のコ”として、なのか……。
義兄(木村瑠衣)
ま、今は返事聞かないよ
あなた

え?

義兄(木村瑠衣)
これで少しは僕のことを意識してくれただろうし。あとは僕が振り向かせてみせる
そう宣言する瑠衣くんはかっこよくて。

普通に見惚れてしまったのは、私だけの秘密。

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