しばらく経って、そっと訊いてくる瑠衣くん。
あんな風に抱きしめられるのなんて、幼稚園以来だった。
小学校に上がってからはお仕事もあったし、友達も居なければ両親ともお仕事の話しかしなかったし。
少しして、また話しかけてくる瑠衣くん。
上を向くと、真剣な目をした瑠衣くんがいた。
突然の告白に驚く。
思わず、固まってしまう。
瑠衣くんのことをそういう風に意識したことがなかったし、
そもそも恋ってなんなんだろう……。
友達の“好き”と、恋愛の“好き”は違うのだろうか。
ちなみに今は瑠衣くんのこと、好き……なんだけど。
これは友達としてなのか、
家族としてなのか、
それともひとりの”男のコ”として、なのか……。
そう宣言する瑠衣くんはかっこよくて。
普通に見惚れてしまったのは、私だけの秘密。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!