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第1話

卒業生入場
ここにある木は全て桜だって気がついた。
それも、淡いピンク色の桜だと。
桜の背景には、飛行機雲の境界線が引かれた空が広がる。
まるで、空が2つに対立したみたい。
こんな景色、もう2度と見れない。
あなたはまた顔を上げ、この景色を目に焼き付けた。
沙奈
あなたちゃん?
後ろの子に呼ばれて前を向くと、列が進んでいた。
あなた

あ、ごめっ!

急いで4歩前に出た。
お母さんに袴を着せられたせいで、上手に歩けない。
あなた

わっ!

思わず転びそうになったが、なんとか持ちこたえた。
何度も何度も通ってるのにコケてしまい、なんだか不思議な気持ちになる。
また列が進んだようで、あなたはまた前へ進む。
次は慎重に。
まだ入場すらしていないのに転んではたまらないと、6歩かけて歩いた。
あなたは6年D組。
出席番号は24番で、後ろは10人ほどいる。
とにかくとても人数が多い小学生だった。
あなた

わあ!

やっと卒業式の会場である体育館の入り口の前に立つ。
CDの音割れがひどいが、明るいクラシックが流れている。
在校生の5年生が、手がちぎれんばかりの勢いで拍手している。
天井には色とりどりの千羽づるが吊るされている。
バスケットゴールの中はちぎった折り紙が詰まっている。
前の人が赤い印を通り過ぎた。
あなたは体育館の中に一歩足を踏み入れる。
袴の裾を軽く持ち上げて。