第2話

一同礼・校長先生の話
423
2018/02/24 09:57
体育館のすみの窓から見た 外の風景が暗くなった気がした。
気のせいかもしれない。
中がカラフルすぎるからそう見えてしまうのかも。
教頭先生
起立。
あなたを含め、みんなすぐに立ち上がる。
教頭先生
礼。
3秒かけて、ゆっくり頭をあげる。
教頭先生
着席。
音を立てないように座る。
パイプ椅子はガタガタしていて座りづらい。
まあ この学校は古いから仕方がない。
それより、ここからが本番だった。
校長先生
えー、本日はお忙しい中、お父さんお母さん方にお集まりいただきました……
校長先生の話が長いのだ。
あなたは目を開けたまま考え事をする特訓をしてきた。
そうすればこの退屈な時間を有意義に過ごせる。
あなた

…。

一見、あなたは姿勢正しく話を聞いているように見えるだろう。
あなたの脳内では、オリンピックが開催されているとは知らずに。



教頭先生
A組、朝倉拓真。
朝倉拓真
はい!
オルゴールのような優しい音色で意識が戻った。
卒業証書授与が始まったようだ。
さらに、まだ午前なのに空の様子がおかしい。
あなた

嘘でしょ…。

プリ小説オーディオドラマ