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第3話

卒業証書授与
教頭先生
鈴木優香
鈴木優香
はい。
優香ちゃんが校長先生の前まできた。
校長先生
おめでとう。
校長先生から、卒業証書を受け取る。
その後深くお辞儀する。
教頭先生
谷崎美由紀
先生が次の子の名前を呼ぶ。
それの繰り返しが行われている。
音楽は、すでに2曲目の“キセキ”になっていた。
またもオルゴール風だけど、どこか懐かしい。
4年のとき、みんなで歌ったんだった。
最後の「君を愛してる」という歌詞が恥ずかしくて、いつも口パクだったのを思い出した。
しっかり歌えばよかったのにな。
沙奈
え?雨じゃん。
そんな呟きでふと我に返る。
さっき、空がいきなり暗くなった。
それには誰も気づかないようだったけど。
窓を見ると、寒々しく雨が降っていた。
まだ降り始めで強くはない。
けれど、どこか泣いているような寂しさを感じさせて、辛くなる。
教頭先生
D組
教頭先生
石川滝。
石川滝
はい。
それでも式は続き、いよいよD組になった。
あなたはぎりぎりまで、音楽でほとんど聞こえない雨の音に耳をすませていた。
教頭先生
登坂陸。
登坂陸
はい。
登坂くんが歩き出したのと同時を狙って、あなたは立ち上がった。
曲がり角はロボットのようにくるりと方向転換することを心がけ、
まっすぐ前を見ながら真ん中の通りを進む。
もちろん袴の裾を踏まないよう気を配る。
そしてステージの手前に立って待った。
この間までは頭がこんがらがったりもしたけど、こんなこと平気になった。
それだけ練習をしてきた、あなたもみんなも。
教頭先生
長野香那。
長野香那
はい…。
いつも無口な香那ちゃんが返事をする。
歩きながら、一瞬だけステージの上の香那ちゃんを見上げる。
校長先生
おめでとう。
そこには両手でしっかり卒業証書を受け取る香那ちゃんがいた。
後ろ姿だったけど、すごく誇らしそうで、いつもより大人びて見えた。
あのステージで卒業証書を受け取れば、あなたも何か変わるのだろうか。
教頭先生
野沢菜月
野沢菜月
はい!
あなたの前の子だった。
あなたはステージに続く小さな階段を上る。
そして黄色いテープに足をのせ、姿勢を正す。
ステージからは、体育館全体が見渡せた。
大勢の人が座っている。
お母さんもいた。
担任の先生もいた。
元担任の先生も、お世話になった保健の先生もいた。
みんな泣いていた。
もらい泣きしちゃうじゃん。
ライトが眩しくて細めたあなたの目は、少し余分に潤っていた。
校長先生
おめでとう。
もうすぐ呼ばれる。
もうすぐ…………
石川滝
光った!
あなた

窓が一瞬だけ黄色で埋め尽くされた。