ドスッ
体に響いた衝撃。
頬に触れた...地面。
慌てて立ち上がると、ある異変に気づく。
さっきまで軽かった体に重みが戻ってきていた。
左胸に手を当てれば、ドクドクと脈打つ心臓。
回りは木、木、木。
音すらない空間の中で、腰が抜けて座り込む。
って、えぇぇぇぇっ!?
バッと後ろを見る。
そこには宙に浮く神様がいた。
グルッペンって、あのグルッペンだよね?
...グルッペンも神様に間違って殺されたんか...
グルッペンの側に駆け寄ると、ジーッとグルッペンを見つめる。
勝手に話が進む二人と、差し置かれた私。
グルッペン、こんなに神様と仲良いのか...
ヒュンッ
...あ、帰った。
身勝手な神様もいるもんだなぁ、と思っていると、グルッペンが口を開く。
あの神様
大事なこと言い忘れて帰りやがった...!
流れる沈黙。
なんか懐かしいなぁ...
...念のため聞いとくか。
前世のときのように聞く。
...と、いうことなので。
と、いうわけで。
無事転生させられました(?)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!