さて、僕がなんであのピアノを聴くようになったのか。
遡ること2ヶ月前
教室でも部活でも‥家でも
どこにも居場所のない僕はふと思ったのだ
‥‥あぁ、死にたい。と
虐められてた訳でもない
ただ、そう思った
そして「無」のまま屋上へ向かった
フェンスをよじ登って学校全体の風景を見て
____人生にピリオドを打つはずだった
ぽろん
突然鳴り響いた たった1つの音
絶対音感なんて持っていないから何の音か分からなかったけれど
その音は2つ、3つと増えて。
1つの音楽へとなっていく
‥まるで僕の今までの人生のパズルを1つずつのピースで少しずつ組み合わせたかのように
‥涙がこぼれ落ちた
そう。僕はあの音色に救われた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。