第27話

龍人姉弟と異形女学生
510
2020/03/05 08:47
久遠side
_久遠@くおん_
久遠くおん
薫子、云っていたのは此処?
私達は、薫子が妖を見た事がある場所だと云った、小高い丘に居る。
薫子
薫子
うん。前に此処で、二人妖を見たの
雨宮龍華
雨宮龍華
何をしに来たの
_久遠@くおん_
久遠くおん
初めまして。私は久遠。貴女達にお願いがあって来たの
雨宮龍弥
雨宮龍弥
ねーちゃん?誰?其の人達
雨宮龍華
雨宮龍華
お願い?其れを聞いて、あたし達に利益はあるの?
_久遠@くおん_
久遠くおん
尾崎鬼蝶、と云う人を知っているかしら?
雨宮龍華
雨宮龍華
……!!
_久遠@くおん_
久遠くおん
私達はね、鬼蝶様が作ろうとしている組織の構成員を集めているの
_久遠@くおん_
久遠くおん
貴女達が這入ってくれるなら、鬼蝶様にも逢えるし、私達もありがたいのだけれど
雨宮龍弥
雨宮龍弥
鬼蝶さんに逢えるの?
_久遠@くおん_
久遠くおん
ええ
雨宮龍弥
雨宮龍弥
ねーちゃん、俺、逢ってみたい
雨宮龍弥
雨宮龍弥
あの人は、妖や異形をぞんざいに扱ったりしないって、聞いた事がある
雨宮龍華
雨宮龍華
……いいわよ。其の話、乗ったわ
_久遠@くおん_
久遠くおん
ありがとう
雨宮龍華
雨宮龍華
但し
雨宮龍華
雨宮龍華
もしも彼女が、私と弟に酷い事をしたら……
雨宮龍華
雨宮龍華
其の時は、問答無用で彼女を殺す
_久遠@くおん_
久遠くおん
いいわよ。まあ、貴女に鬼蝶様は殺せないでしょうけど
雨宮龍華
雨宮龍華
……
_久遠@くおん_
久遠くおん
其れに
_久遠@くおん_
久遠くおん
心配しなくても、鬼蝶様はそんな事しないわ
_久遠@くおん_
久遠くおん
着いて来て。着く迄の間、色々お話しましょう?
雨宮龍華
雨宮龍華
……ええ
雨宮龍弥
雨宮龍弥
貴女は何の妖なの?えっと……
_久遠@くおん_
久遠くおん
久遠
雨宮龍弥
雨宮龍弥
そうだそうだ。久遠さん
_久遠@くおん_
久遠くおん
私は大蛇よ。水神の子
雨宮龍弥
雨宮龍弥
大蛇?でも、足……
_久遠@くおん_
久遠くおん
そりゃあ、人間に上手く溶け込めるように、足は人間と同じよ
雨宮龍弥
雨宮龍弥
凄いなあ……
_久遠@くおん_
久遠くおん
そうかしら?
雨宮龍弥
雨宮龍弥
うん。僕達は、人間にも龍人にもなれなかった出来損ないだから。角、隠せないんだ
薫子
薫子
角、格好良いと思うよ?
雨宮龍弥
雨宮龍弥
え、そう?ねえねえ、そっちの君は?君も妖でしょ?
薫子
薫子
私はね、妖じゃなくて、怪異?なんだよ
雨宮龍弥
雨宮龍弥
怪異かあ……珍しいね
_久遠@くおん_
久遠くおん
この子は西洋人形なの
雨宮龍弥
雨宮龍弥
へえ……そうなん_____
雨宮龍華
雨宮龍華
!!
突然、横から龍人の姉が飛び出した。
雨宮龍弥
雨宮龍弥
ねーちゃん!?
雨宮龍華
雨宮龍華
もう……!!危なっかしい……!!
龍人の姉は、腕に女学生を抱えていた。
_久遠@くおん_
久遠くおん
この子……異形ね
女学生を地面におろして、私達は其の子を見つめた。
百瀬千里
百瀬千里
……あれ?
雨宮龍華
雨宮龍華
大丈夫だった?
百瀬千里
百瀬千里
貴女が、私を……?
雨宮龍華
雨宮龍華
ええ。そうだけど
百瀬千里
百瀬千里
……んで
雨宮龍華
雨宮龍華
え?
百瀬千里
百瀬千里
何で、私を扶けたんですか!?
女学生が叫んだ。
百瀬千里
百瀬千里
やっと楽になれると思ったのに……
百瀬千里
百瀬千里
何で……な、んで……
良く見ると、女子高生は泣いていた。
_久遠@くおん_
久遠くおん
そんなに辛いなら、私達の処へ来なさい
百瀬千里
百瀬千里
ぇ……?
_久遠@くおん_
久遠くおん
私達の処には、貴女と同じ異形の人が居るの
_久遠@くおん_
久遠くおん
其の人なら、貴女を苦しめる事はしないわ
百瀬千里
百瀬千里
……連れて行ってください
_久遠@くおん_
久遠くおん
そうと決まれば、ほら
_久遠@くおん_
久遠くおん
私の手を取って
百瀬千里
百瀬千里
……ありがとう御座います
_久遠@くおん_
久遠くおん
いいのよ
私は女学生と龍人姉弟を連れて、お店への道を辿った_____。

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