太陽の光で目が覚める。あと何回こうして朝を迎えられるのか。
…朝から暗いこと考えるのはやめよう、今日も撮影。でも今日監督さんや数名のスタッフには事実を打ち明けないといけない。
とにかく準備しようとベットから出ようとすると横から伸びる手によって阻止された。
『おはよ、起きた?どうしたん?』
道枝「おはよう…なんか、よう分からんけどあなたが遠くに行ってしまいそうで急に怖くなった」
病気の事は話してない。私の態度がおかしかった?でもそんなはずはない。いつも通りやったはず。
『何いいよん笑 大丈夫、どこにも行かんから』
自分にも言い聞かせるように、明るく言った。
『ほら、今日も撮影やし準備しよ』
あまり納得してなさげな様子には寝起きだからということにして、無理矢理準備をさせた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!