無事撮影も終わって、食材を買いに行って帰宅―――
『ただいま~』
道「おかえり〜」
我が物顔で私の家にいる駿佑。実はあの日から仕事で東京に来る時は私の家に泊まっている。
道「なあ、あなた。今度から仕事でこっち来る時あなたの家泊まっていい?」
『……へぇ??』
道「なに間抜けな声出しとん笑いやー大阪からこっちまで来る交通費とか結構痛くてさ…」
『学費…自分で払ってるんだもんね?』
道「そ。今までは何とかやってきたけど最近こっちでの仕事増えてきて……もちろん家事とかもするしさ!」
『そういう事なら全然いいよ!てかそんな事せんでいいよ!』
元地方民だったから遠征の時交通費が1番痛いのを身を持って知っている…駿佑は学費まで自分で払ってるしそれくらいの事なら……
で今に至る。
『ねえ、なんか、そろそろやばい気がする……』
道「今更やんー。それよか今日のご飯はどうしましょ!」
『露骨に話そらすなぁ~今日は親子丼にしようと思います』
道「よっしゃ〜!!じゃあ作ろ~!」
道「心配せんでも大丈夫やで。あなたに迷惑かかりそうになったら俺が守るし。」
『私は駿佑の方を心配しとるん。駿佑に何かあったら駿佑だけやなくてなにわ男子にも迷惑かけてしまう。そんなの絶対に嫌。……邪魔と思ったら切り捨てていいから』
道枝side
邪魔なんか思わんのに。金がきついは嘘で俺が一緒にいたくて無理言って東京来る度泊まらせてもらってんのに。
いつもあなたは自分より俺や、グループの事を考えてくれる……
そんなあなたやから………好きなんや
でも今はそんな事言えへんから、今のままの関係で我慢するしかないなぁ……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!