ドアノブに手をかけた……私の手に重なるもう1つの手。いや、誰やし…わざわざ重ねんでもいいやん…
とか思ってたら
「どうしたんですか?入らないんですか?」
待て。この声。いや、待て。そんなはず…いやーあるんだなこれがだって名前あったし…
なんて心の中で自分劇場を繰り広げていると…
「緊張してるんですか?僕も緊張してるんですよ。あ、僕道枝駿佑です。よろしくお願いします」
ああーごめんなさい誰やしとか言って!手洗えないわ…
てか軽い世間話(?)からの自己紹介。礼儀正しい…あと今日も顔が良い……
『 あ、私は松下あなたです。今回のドラマが初出演でめっちゃ緊張してて…よろしくお願いします…』
自担を前に余計に緊張している私に彼は優しく笑いかけてくれた。反則やん…
「あー!俺の名前の横におった人や!よしとにかく入りましょ」
何がよしかは分からないけど一緒に部屋に入って行った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。