第10話

6,273
2023/02/17 07:00








翌日の探偵社は何時に無く気まずかった。






原因を私は知っている。














あなた
お早うございます!太宰さん?
太宰
嗚呼。お早うあなたちゃん?





私も彼も気持ち悪いほどの笑顔で話し合う。








視界の隅で敦君が話しかけようと劣んでいるのが見える。






きっと彼も見えている。










だけどスタートは肝心なのだ。


今日惚れさせる。その意気で生きる。



















国木田
おい。朝っぱらから雰囲気を悪くするな






自分勝手にポエムを考えて居たら



国木田さんに突っ込まれた。
太宰
えー…だって仕事面倒なんだもん





何時もの巫山戯た顔で国木田さんを煽る。




実に切り替えが上手いと実感する。










太宰
そうだ!!あなたちゃん仕事変わってくれない、?

上目遣いでそう云う太宰さんは可愛い。









と思ってしまった。



太宰
あれ、如何したの、?



太宰
頬一寸だけ緩んでるけど、?




優しい笑顔で近づいてくる彼。


でもその笑顔の裏には黒い顔があると知っている。








気付かれた。









太宰
何か良い事でもあったのかい、?








ゼロ距離に太宰さんが居る。


自分でも頬が赤くなる未来が見えた。









太宰
(勝った)






太宰さんの勝ち誇った顔が見えた。






其れと同時に私の片足が太宰さんの腹部に衝突した。







国木田
?!?!







太宰
いッたぁ…


あなた
自分でやって下さいな




蹴ってしまったのは誤算だったが



未だ私は負けていない事が証明された。




NEXT‣‣‣



プリ小説オーディオドラマ