第9話

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2019/09/28 09:54
正樹
「あー!また話してる!このこの前だと優しい顔するよね武尊」






武尊
「…別に」






気まずい雰囲気の中、長畑 正樹さんが薔薇王子に声をかけてくれたおかげで、2人とも安心したような雰囲気になった





薔薇王子…なんで私の名前を知っていたんだろう、まだ言ってもないのに






私の頭に疑問が浮かび上がった






心夏
『たっくんって人と知り合いですか?』






私が最終的に生み出した答えはこれだ




本人だとは到底思えない、だってたっくんはもっとふわふわした感じの可愛らしい男の子だったから






薔薇王子はなんだか驚いた顔をして下を向いたかと思えばバッと顔を上げて私の目を見た






武尊
「俺がそのたっくんなんだけど」






心夏
『え、えー!』






嘘でしょ?あの可愛らしい面影はどこに行ったんだってぐらい怖い顔してるって言うか美形だし、まぁ元々美形かなとか思ってたりしてたけど




みたいな感じで私の頭の中は混乱してた




だってあの薔薇王子が…天使のたっくんだとは思えないし







女の子に冷たいって噂だし…


武尊
「信じてないでしょ」



薔薇王子が私の顔を覗き込むかのようにきた



心夏
『ん…まぁはい』







武尊
「じゃあこれは?」














武尊
「記念日」





そう、私は何かある事に○○記念日とカレンダーに書いていた、それを知っているのは









心夏
『たっくんだけ…』





武尊
「信じてくれた?」






心夏
『まだ半信半疑だけど、信じたとおもう』






武尊
「なんだよそれ、いつまでたっても変わんねぇな」






その時一瞬だけ、昔のたっくんのような甘い笑顔を見せてくれた、これを見た女子は必ず恋に落ちるぐらいの







心夏
『とびっきりスマイルだ…』






武尊
「それに、昔から一緒にバレーしてたじゃん。だから、俺のスパイクも取ったのか」





それなら納得、みたいな顔をして頷いた






心夏
『あれ、まぐれだし…』






武尊
「まぐれでも取れねぇの、普通」








心夏
『昔に比べて、随分と背が高くなったね』








武尊
「ここちゃんが低いんだよ」







ここちゃん、そう呼ぶのはやっぱり1人だけ







心夏
『たっくんだ…』






正樹
「イチャイチャしてるとこ悪いんですが、武尊!試合なんだけど」





心夏
『イチャイチャ…?』





は!あのやり取りはイチャイチャの分類に入るのか!





武尊
「じゃあまたね、心夏」







心夏
『うん、ばいばい薔薇王子』



心の中でずっとそう呼んでたからついつい口に出してしまった







心夏
『あ…』







武尊
「佐々木 武尊!次までに覚えといて!」





冗談まじりでそう行ってくれた








心夏
『会えたんだ…』






今日は再開記念日だ
























正樹
「へー…」
あんな顔するんだ、武尊も


薔薇王子と呼ばれるほど女子に冷たいアイツがあの女には今までに見た事のないぐらいの笑顔を見せた




正樹
「安藤 心夏…か」




興味が湧いた

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