広臣side
これから行くって送ってから数分
いつもなら既読か返事が来るはずなのに
全く来ない。
後輩の前でイライラしてもしょうがない。
忙しいんだと思うことにしてスマホをしまいみせにむかった。
店に行くとさすがNo.1沢山の客で埋まってた。
中に陣さんもいたりしてペコッと会釈だけしてVIPに通された。
いつもならすぐ来るはずなのに
やっぱりイベントなだけあるのか来るのが遅かった。
数分すると
俺と話す時の愛來の笑顔はどこか寂しそうなんだよな。
壱馬や北人 涼太とかには普通なのに
なんで俺の時だけ苦しそうに寂しそうに笑うんだよ。
綺麗なタワーの前にお客から貰ったのか
デカいマイメロのぬいぐるみを抱えて
笑顔で写メを撮られる愛來。
楽しそうに笑う愛來と俺と話す時に
見せる苦笑いの愛來にズキっと胸が痛む。
北ちゃん?いつのまに仲良くなったんだ?
不思議に思いながらも俺もプレゼントを渡す。
律儀な子で包装紙を綺麗に開けて行く
あげたネックレスをサラッと取り
愛來の前からネックレスを付ける。
隣に居ても分かってたけどふわっと香る
愛來の甘いバニラの香り。
また切なさそうに笑ったかと思えばいつもの笑顔に戻る。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。